股関・鼠径部の痛みに効果がある理学療法メニュー

🦵若さと健康のカギを握る「股関節」
20代をピークに、筋力は年に約1%ずつ低下するといわれています。特に、運動不足によって衰えやすいのが太ももやおしりなど下半身の筋肉です。
「老化は足腰から」とよく言われるように、これは決して大げさではありません。
◆ 若さを保つカギは「股関節」
そこで、何よりも最初に鍛えてほしいのが太もものつけ根「股関節」です。
股関節は人間の体の中で最も大きな関節であり、上半身と下半身をつなぐ「身体の要(かなめ)」となっています。
腰痛と股関節や鼠径部の痛みを抱えておられる方専門の治療コースになります。
【治療時間】 90分
【価格】2800バーツ
【治療内容】① 理学整体、ディープティッシュマッサージ ② トリガーポイント治療 ③ 股関節と脚のストレッチ ④ 超音波治療 ⑤ 遠赤外線温熱治療
股関節・鼠径部の痛みを改善する前に股関節の構造を知ろう!
⚙️ 股関節の構造と働き
人の下半身には、3つの主要な関節があります。それは、
1️⃣ 骨盤と大腿骨をつなぐ 股関節
2️⃣ 大腿骨と下腿骨(すねの骨)をつなぐ ひざ関節
3️⃣ 下腿骨と足部をつなぐ 足関節
これらは「下肢三大関節」と呼ばれ、私たちが立つ・歩く・走るといった基本動作を行うための要となっています。
◆ 股関節が最も重要な理由
この三大関節の中でも、特に股関節は体の軸を支える最も重要な関節です。
実際に自分で脚を動かしてみると分かりますが、脚や足首の関節は主に「曲げる」「伸ばす」といった一方向の動きしかできません。
しかし股関節は、**曲げる・伸ばす・広げる・すぼめる・ひねる(回す)**といった多方向の動きが可能です。
これは、股関節が**球関節(きゅうかんせつ)**という特殊な構造を持っているためです。
球関節は、ボールのような骨(=大腿骨頭)と、それを包み込むお椀状のくぼみ(=寛骨臼)で構成されており、非常に自由度の高い動きを実現します。

◆ 骨盤と大腿骨の連結構造
股関節は、骨盤の左右下方にある寛骨臼(かんこつきゅう)という大きなお椀型のくぼみに、ふとももの骨(大腿骨)の先端にある大腿骨頭(だいたいこっとう)という球状の部分が深くはまり込むことで成り立っています。
この構造により、
上半身の体重をしっかりと支える安定性
前後・左右・回旋といった幅広い運動性
の両方を兼ね備えることができるのです。
◆ 股関節が果たす役割
股関節は、単に脚を動かすだけでなく、次のような働きも担っています。
体幹と下肢の連動:上半身と下半身をスムーズにつなげる
衝撃吸収:歩行や着地時に骨や関節への負担を和らげる
姿勢保持:立位や座位でのバランスを取る
代謝の要:股関節周囲の大きな筋肉群(大殿筋・腸腰筋など)が体の代謝を高める
まさに、股関節は「動きの中心であり、若さの源」ともいえる関節です。
◆ 股関節の構造と動き
股関節は、骨盤側の「寛骨臼(かんこつきゅう)」と大腿骨の「大腿骨頭(だいたいこっとう)」がボールとソケットのように組み合わさった球関節です。
この構造により、三軸方向に自由度の高い動きが可能となります。股関節の主な動作は次の6つです。
| 動作名 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 屈曲 | 太ももを前に上げる | 膝を胸に近づける動作 |
| 伸展 | 太ももを後ろに引く | 歩行時に脚を後方へ送る |
| 外転 | 脚を外側に開く | 横に脚を上げる |
| 内転 | 脚を内側に寄せる | 両脚を閉じる |
| 外旋 | 脚を外向きにねじる | あぐらをかく姿勢 |
| 内旋 | 脚を内向きにねじる | つま先を内側に向ける |
股関節のために連携する主な筋肉
◆ 股関節を支える筋肉たち
股関節の動きには、周囲の多くの筋肉が関与します。
代表的なものは以下の通りです。
大殿筋(おしりの筋肉)…股関節の伸展
腸腰筋(インナーマッスル)…股関節の屈曲
中殿筋・小殿筋…股関節の外転・安定性保持
内転筋群…股関節の内転
大腿筋膜張筋…股関節の外転と膝の安定
これらがバランスよく働くことで、正しい姿勢やスムーズな歩行を支えています。
股関節は強力な靭帯や多くの筋肉により包まれていて、非常に安定な構造となっています。 このために、立つ・歩く・走ると いった動作を安定して行えることになります。
歩行時は、大腿骨・骨盤・脊柱(背骨)につながら大腰筋と腸骨筋で脚を引き上げます。そして、ふともも前面の大腿四頭筋と背面のハムストリングで地面を蹴り出し、お尻の筋肉・大殿筋で太ももを後ろに引き上げます。


鼠径部の痛みはどこからくるの?
鼠径部(そけいぶ)の痛みは、股関節や周囲の筋肉・神経・靭帯など、さまざまな要因で起こります。以下に、理学療法・整体の視点を踏まえた詳細な解説をまとめましたので参考にしてください👇
🩻 鼠径部とは?
鼠径部は、太ももの付け根(股関節の前面)にあたる部分で、
骨盤・大腿骨・筋肉・血管・神経が交差する身体の交差点のような場所です。
そのため、ここに痛みが出る場合は、筋肉・関節・内臓・神経など、複数の要因が関係していることが多いのです。
鼠径部の痛みは「股関節」「筋肉」「骨盤」「神経」など多くの要素が絡み合うため、
原因を見極めることが最も大切です。
理学療法では、関節の可動域改善・筋バランス調整・骨盤安定化を通して、痛みを軽減し、再発を防ぐアプローチを行います。
🔍 鼠径部の痛みの主な原因
| 原因 | 特徴的な症状 | 理学療法での見方 |
|---|---|---|
| 股関節の炎症・変形(変形性股関節症など) | 歩き始めや立ち上がりで痛む。可動域制限。 | 股関節可動域の低下・筋バランスの崩れが背景。 |
| 腸腰筋の拘縮(インナーマッスルの硬直) | 長時間座ったあとに立ち上がると痛む。 | デスクワーク・姿勢不良・筋力低下による筋緊張。 |
| 恥骨結合炎(骨盤前面の炎症) | 走る・階段・起き上がりで恥骨周辺が痛む。 | 出産後やスポーツ選手に多く、骨盤の不安定性が関与。 |
| 内転筋群(太ももの内側)の損傷や炎症 | サッカー・ランニング時などでズキッと痛む。 | 急激な伸張ストレスや柔軟性不足が原因。 |
| そけいヘルニア(脱腸) | 咳・くしゃみ・立位で違和感やふくらみ。 | 筋肉性ではなく、外科的治療が必要。 |
| 神経性(大腿神経・閉鎖神経の圧迫) | ピリピリ感・しびれ・放散痛。 | 骨盤周囲の筋緊張や姿勢由来の圧迫。 |
🧠 理学療法での評価ポイント
理学療法士は、痛みの「場所」だけでなく、以下を総合的にチェックします。
股関節の可動域(屈曲・伸展・内外旋の左右差)
骨盤の歪み・傾き
体幹・腹筋群の安定性(コアの働き)
内転筋・腸腰筋の柔軟性
歩行・立位バランス
これにより、痛みの“根本原因”を特定していきます。
🚫 注意が必要なケース
次のような症状がある場合は、医療機関の受診が必要です。
安静時も強い痛みがある
鼠径部にしこり・ふくらみが出てきた
足のしびれ・脱力感を伴う
発熱や倦怠感を伴う
これらはヘルニアや関節疾患、内臓性疾患(尿路・婦人科系)の可能性があります。
若さを維持して健康で美し生活をするために股関節を鍛えましょう!!
股関節は「立つ」「歩く」「座る」といったあらゆる動作の中心であり、身体のバランスや姿勢を支える要の関節です。
股関節周囲の筋肉を鍛えることは、
腰痛や膝痛の予防
姿勢改善
代謝アップ・下半身太りの改善
加齢による転倒予防につながります。
理学療法士の視点から見た「安全で効果的な股関節トレーニング法」を、いくつか紹介しております
① ヒップリフト(大殿筋強化)
目的: ヒップラインの引き締め・腰痛予防
方法:
仰向けに寝て、膝を90°に曲げる。
息を吐きながらお尻を持ち上げる。
肩〜膝までが一直線になるように。
3秒キープし、ゆっくり下ろす。
🔁 10回×2セット
ポイント: 腰ではなく「お尻の筋肉」で持ち上げる意識。

② レッグレイズ(腸腰筋強化)
目的: 股関節の屈曲力向上、歩行の安定
方法:
仰向けで両脚を伸ばす。
息を吐きながら片脚をゆっくり持ち上げる。
床から30〜40cmほど上げて3秒キープ。
ゆっくり下ろす。
🔁 各脚10回×2セット
ポイント: 腰を反らさず、腹圧を意識。
③ サイドレッグリフト(中殿筋強化)
目的: 骨盤の安定、O脚・X脚予防
方法:
横向きに寝て、下の脚を軽く曲げる。
上の脚をゆっくり上げる。
3秒キープしてゆっくり下ろす。
🔁 各脚10回×2セット
ポイント: 脚を上げるとき、つま先をやや下に向ける。
④ ボール挟み運動(内転筋群強化)
目的: 太ももの内側引き締め、骨盤安定
方法:
椅子に座り、両膝の間にボールやタオルを挟む。
息を吐きながらギュッと5秒間押しつぶす。
力を抜いて5秒休む。
🔁 10回×2セット
ポイント: 骨盤を立てて背筋を伸ばす。

⑤ 立位サイドステップ(大腿筋膜張筋・中殿筋)
目的: 歩行時のバランス・転倒防止
方法:
膝を軽く曲げて立つ。
ゆっくり横に1歩ステップ。
戻る動作を繰り返す。
🔁 左右10回ずつ
ポイント: 背中をまっすぐ保つ。膝を内側に入れない。
💡トレーニングのコツ
無理をせず「週3回・1日15分」から始める
呼吸を止めない(吐くときに力を入れる)
痛みがあるときは中止し、理学療法士に相談
日常生活でも「股関節を意識して使う」意識を持つ
🌿まとめ
股関節は、体の中心でありながら、意識されにくい関節です。
しかし、ここを正しく動かすことは、全身の若返り・美姿勢・健康寿命の延伸につながります。
理学療法の考え方を日常に取り入れ、無理なく続けることが最大のポイントです。
