腰まわり(腰・脚)の骨格と筋肉について知ろう!
人であることの特徴のひとつは、骨盤とお尻の筋肉が発達して大きく、二足歩行ができることです。このページでは、腰から下の骨、関節、筋肉などの腰まわりについて、その構造と働きを紹介しております。
腰回り骨格系の構造
骨盤はお椀のような形で内蔵を受け止める
骨盤は、脊柱の下端部にあたら仙骨の左右に扇状に広がる寛骨(腸骨、恥骨、坐骨)がくっついてできています。全体にお椀のような形をしていますが、真ん中は筒状で下に抜けています。扇状に広がる部分は内臓が落ちないように下から支え、筒状の部分には、消化器官の最後の部分である直腸や膀胱が収まります。
体の中心軸と大腿骨をつなぐ重要な股関節
股関節は、寛骨の外側にあるへこみに大腿骨の上端が深くはまり込んでいる関節です。足を前後に振る、左右に開く、外向きや内向きへ回すことができます。はまり方が深いため、簡単には外れません。走ったり跳んだりなど激しい動きも可能です。可動域は肩関節に比べると制限されます。
太ももを形成する人体最大の骨、大腿骨
大腿骨は、腰から膝までの長さがある太くて強い、長さも重さも人体の中で最大の骨です。上端部はボールのような球形になっていて、寛骨のへこみにはまって股関節を構成しています。下端部は左右にわかれて膨らんだ形で、膝関節の一部を構成しています。歩行や体重を支えるために、なくてはならない重要な骨です。
クッションのように衝撃をやわらげ体重をささえるひざ関節
膝関節は、大腿骨と脛骨で構成される部分と、膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨で構成されえちる部分からできています。歩く、走る、ける、跳ぶなど、体を動かすとき、膝には大きな衝撃が加わりますが、その衝撃を和らげるのが膝の働きです。上半身の体重のすべてがかかる膝関節ですが、クッションのような役割で、衝撃を吸収します。
膝関節の動き
膝関節は、主に曲げ伸ばし運動を行います。
まっすぐに伸ばした状態から、正座のように膝を完全に曲げた状態まで、180°に近い範囲の動きが可能です。
その際、膝蓋骨は膝の曲げ伸ばしに伴って移動します。
脛骨・腓骨(けいこつ・ひこつ)
ふくらはぎを形成する2本の骨
脛骨(けいこつ)は膝から下の内側(足の親指側)にある骨、腓骨(ひこつ)は外側(足の小指側)にある骨です。
脛骨の上端は大腿骨と膝関節を、腓骨の上端は腓骨と上脛腓関節を構成しています。また下端は足首の関節やくるびしを形成しています。
足首
いろいろな方向に動く二階建て構造
足首の関節は二階建てになっていて、上階の関節は距腿関節(きょたいかんせつ)、下階の関節は距骨の下の関節です。
脛骨との間に関節をつくる距腿関節は前後に曲げ伸ばしができるようになっていて、距骨の下の関節では足底やつま先を外側・内側に向ける運動を行います。
足首の動き
足首の関節は、強靭なじん帯でつながれ、足底を外側・内側に向けたり上下に向けたり柔軟に動かすことができます。
足の骨と関節
足の指を形成する細かいつくり
足は、指を形づくる指節骨(しせつこつ)、足の甲の中足骨(ちゅうそくこつ)、足首とかかとを形つくる足根骨(そっこんこつ)に分けられ、多くの骨と関節から成り立っています。指の骨はそれぞれ腱でつながれ、曲げ伸ばしが可能です。足首とかかとは体重を支え、どんな地面でも柔軟に動き、しっかりと歩くことができるようになっています。
腰回り筋肉の構造
太ももを前に振り歩行に重要な役割を果たす腸腰筋
腸腰筋は、腰から太ももにかけて存在する腸骨筋、大腰筋の総称です。体の深い部分に位置しているため、表面には見えません。腸骨筋は寛骨(かんこつ)から大腿骨にかけて位置し、太ももを前方に振り動かす際の主流となる筋肉です。大腰筋は腰の側面から太もものつけ根にかけて伸びており、腸骨筋とともに働きます。
直立二足歩行をスムーズに行うために働く大殿筋
大殿筋は骨盤の後面から大腿骨の後面上部に位置し、股関節の運動に関係しています。お尻の膨らみの大部分をつくっているのも大殿筋です。大殿筋の下には中殿筋、さらにその下には小殿筋が隠れています。左右交互に脚を出して二本足で歩くとき、太ももを後方へ動かし上体が前に倒れないように股関節を広げる必要があります。その際、大殿筋は上体を後ろに引き起こして、直立の姿勢を保つ働きをしています。
大腿四頭筋
膝を強力に伸ばしあらゆる動きに使われる
太ももを前から触ったときに触れる筋肉の大部分が、大腿四頭筋です。筋肉が起こる場所が4つに分かれており、中間広筋、内側広筋、外側広筋、大腿直筋の4つの筋肉の総称です。
この4つの筋肉は膝の前面にある膝蓋骨に集まり、脛骨や走るとき、ボールをけるときなどのように、膝を強力に伸ばす働きをします。
ハムストリング
膝を曲げる働きをする太ももの裏の筋肉
太ももの裏側にあるハムストリングは、半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋の3種類の筋肉の総称です。
膝を曲げたり、膝を後方に振ったりする働きに使われます。
腓腹筋・ヒラメ筋
かかとを引き上げ、地面を強くける
ふくらはぎの筋肉である腓腹筋(ひふくきん)、ヒラメ筋は、足首の後ろ側にあるアキレス腱につながっています。
かかとを上に引き上げ、足首を下へ曲げる働きがあり、つま先で立ち上がってり、地面を強く蹴ったりするときに大きな力を発揮します。
土踏まずの役割
人の足だけに村れる土踏まずは、アーチ状になっていて地面に触れることがありません。歩く旅に体重を支え、歩いたり走ったりしたときにクッションのように衝撃を吸収します。
土踏まずって何のためにあるのかもっと詳しく知ろう!!
人が歩くための大事な役割を果たしている!
「土踏まず」は、26個の骨が筋肉に支えらえたアーチ状になっています。半円形に弧を描くアーチは、橋やトンネルにも使われているように、上からかかる力にはもっも強い構造です。
人が二本足で体を支え、歩くことができるのは、足がアーチ状になっているからです。
足の裏には3本のアーチがあります。ひとつはこの土踏まずのことで、いちばん大きな内側の縦アーチ、2つ目は外側(小指側)の縦アーチで、外見上わかりにくいのですが、しっかりした小さなアーチ、3つめは親指の付け根と小指の付け根を横に結んだアーチです。
土踏まずには、地面から受ける力から足を守るクッションの役目があり、もし足の裏全体が地面についていたら、地面からの衝撃が足裏全体にかかってしまいます。土踏まずがあるおかげで、足にかかる負担が少なくなっているのです。さらに体のバランスをとるセンサーの役割もします。
土踏まずがない「扁平足」の場合、このクッションがないため足が疲れやすく、長時間歩くと足裏が痛んだりしやすいのです。
土踏まずがあるのは人だけで、ほかの動物にはありません。赤ちゃんも生まれた時は扁平ですが、立ち上がって歩くようになると3歳くらいからアーチが形成され、9歳くらいで完成します。アーチを発達させるためには、この時期に足指をしっかり使った歩き方をすることが大切です。
生活習慣の変化などから、現代人は土踏まずが退化する傾向になります。足の筋肉は、血液を心臓に戻すポンプ機能も担っています。歩く習慣が減り、足の筋肉が衰えてしまうと血流が悪くなり、さまざまな体の不調を招きます。
【アーチの機能】
バネ作用
クッション作用
バランス作用