腸活ダイエット3ヶ月コース カリキュラム

のぞみさんスケジュール表・サイズ推移・体のパフォーマンスチェック

テキスト資料

1ヶ月目の講義内容(復習動画)

腸に炎症を引き起こす食品1 糖について

血糖値を上げてしまうもの

腸に炎症を引き起こす食品2 悪いアブラについて

植物油とがんの関連性

2ヶ月目の講義内容(復習動画)

脂肪が溶けることで体に起こる変化

腸に炎症を引き起こす食品その3 食品毒

具体的な食事のアプローチ

シュガーバーニングをファットバーニングに変える

3ヶ月目の講義内容(復習動画)

慢性炎症を引き起こすインスリンの働き

脂肪を効率的に燃やすメカニズム

間欠的ファスティングで気をつける食事のポイント

間欠的ファスティングを身に付ける 栄養編

間欠的ファスティングを身に付ける 運動編

4ヶ月目(腸管クレンジング)の講義内容

腸内細菌に対する体の反応

腸内環境を乱す原因と対策

運動プログラム

健康参考情報(ブログ)

ファスティングについて知ろう その1ファスティングの効果

アブラについて知ろう~      アブラは健康の敵ではない!!

アブラが体に悪いという誤解はなぜ広まったのか

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第1回 こんにちは。これから数回にわけて脂肪についてお送りします。 まず初回は、 脂肪がつくのは、脂肪の取りすぎではない︕ という話です。 内臓脂肪のほとんどは、糖から作られるという事実を知ってください。 血糖を下げるインスリンですが、その他の働きもあります過剰なぶどう糖を脂肪として溜め込むシグナルを出します。 摂取した脂肪は、当然過剰になれば脂肪酸から再度脂肪に合成されますがその過程はかなりのエネルギーを要します。 またその脂肪合成にはグリセロールという糖質が必要なので脂肪酸だけでは脂肪はつくれないのですつまり、過剰な糖から脂肪を作る過程が体にとっては脂肪をためこむ一番のプロセスになります。 ここで問題が1点。 脂肪を作る刺激を出すインスリンですがこの分泌を刺激するのは砂糖よりもデンプンの方が刺激が強いのです。 よって・・・・デンプンの取りすぎが肥満の一番の原因であると理解することが重要です。 砂糖だけでなく、デンプンですごはん、パン、パスタです。 次回は、中性脂肪についてお話したいと思います。

こんにちは。

脂肪のお話2回目です。

 

脂肪=中性脂肪体の中では脂肪は、中性脂肪という形で存在します

中性脂肪には3つの脂肪酸がくっついています。

その脂肪酸のもとは、食事から摂取された脂肪から分離されるものだけではありません。

食事から摂取した糖分が過剰になると糖分から脂肪酸に作り変えられます。

脂肪酸もまた糖と同じくエネルギーになります” 脂肪が燃える” というのは脂肪酸が燃えることを意味します。

1g あたり脂肪酸9kcal 、ブドウ糖4kcal とエネルギー量も多いのですが、エネルギーを取り出す時間、効率が脂肪の方が圧倒的に悪いため体は糖があれば、糖を使いたくなります(=シュガーバーニング)。

 

特に脳は血液中のブドウ糖が少なくなるとブドウ糖を欲しがる指令をだします。

コルチゾールというストレスホルモンを放出して盛んに糖を取るように仕向けます。

 

糖分がどんどん入ってくる状況では脂肪は燃える機会がありません。

脂肪を燃やしたいときは(=ファットバーニング)まず糖を制限することが重要です

 

第3話は、脂肪酸のお話の続きです。
脂肪酸は2 種類あります飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸は、牛などの動物性の脂肪、バター、ココナッツオイルに多く含まれます。

不飽和脂肪酸は主に植物の種からとった油、魚の油などに多く含まれており体内で飽和脂肪酸とは異なるふるまいをします。

糖が余分になって体の中で作られているのは飽和脂肪酸です。

よって不飽和脂肪酸はほとんど食べたものから吸収されて溜め込まれています
不飽和脂肪酸はのちに詳述しますが、存在するだけで猛毒をだします。

アルデヒド(過酸化脂質)という猛毒ですこのアルデヒドは、DNA を損傷するタンパク分解酵素の阻害タンパク質を変性させるミトコンドリアの阻害、炎症を起こすなど生体内でさまざまな異常を起こします。

その異常は細胞の老化につながります、

また動画で説明した、インスリンが効きにくくするインスリン抵抗性という病態も引き起こします。

体の中に存在する不飽和脂肪酸はほとんど食事由来であることを前回お話しました。第4話は昨日の続きになります。

今からだの中の脂肪には脂肪酸はかなりの割合で不飽和脂肪酸を含んでいます。

というのは、家庭で使用するサラダ油、外食での油、お惣菜に使用される油、チョコレートに入っている油、スナック菓子の油、コンビニで購入する食品のほとんどに含まれている油・・・

これらはすべて不飽和脂肪酸ですよってあなたたちの体の中には大量に不飽和脂肪酸が溜まりこんでいます。

急激なダイエットをすると溜め込まれた脂肪が一気に血液内に流入します。

一気に不飽和脂肪酸が体の中にめぐることになります。

それと同時に不飽和脂肪酸の代謝産物であるアルデヒドも全身に放出されます。

アルデヒドは体にとって猛毒です急激なダイエットをすると、脂肪が一挙に溶け出て、脂肪爆弾が全身に投下されたような状態になります。

その結果体にさまざまなダメージを与えることになります。

急激に脂肪を分解することを避けなくてはいけません現在からだの中で溜まっている不飽和脂肪酸をゆっくり分解し血液中に放出させることが、安全なダイエットには必要です。

では不飽和脂肪酸を安全に処理するにはどうすべきでしょうか︖

まず摂取する脂肪を飽和脂肪酸中心に切り替えて新たに不飽和脂肪酸を含む脂肪組織を作らないことです。

これにより蓄えられた不飽和脂肪酸は徐々に飽和脂肪酸に置き換えられていきます。

安静時の筋肉や肝臓、腎臓は大量でなければ、不飽和脂肪酸を安全に代謝する能力を持っています

まずは体内に入れる不飽和脂肪酸を徹底的に少なくすることが重要です

5回目の健康マガジンは、飽和脂肪酸の続きをお話ししますね。

飽和脂肪酸のうち短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸(MCTオイル)は水に溶け容易にエネルギーとして利用されます

そのため、血液に溶けた脂肪酸は血流にのって腸から肝臓に至ります。それに対して⻑鎖脂肪酸(サラダ油などの植物の種由来のオイル)は水に溶けないため直接血液に入ることができません。

小腸の細胞でカイロミクロンと呼ばれるものの中に組み込まれ水に溶ける形に変えられてからリンパ管に入ります。

すぐに血液に入らずに一旦リンパ管に入って体の中を巡った後にようやく血液の中に戻されます。

そのため、各臓器に至るまでに時間がかかります⻑鎖脂肪酸が全身で分解されてエネルギーになるためには時間がかかってしまうのです。

その間はすぐにエネルギーとして使用できる糖が優先的に使用されます時間がたってエネルギーとして使用する需要がなければ、単純に脂肪組織で中性脂肪の形で保存されてしまうのです。

そのため、MCTオイルのような中鎖脂肪酸を摂取するのは、ダイエットに非常に効果があるのです。

6回目の健康マガジンは、極端な糖質制限のデメリットについてお話します。             単純に糖質制限をすると痩せます。
頑張れば頑張るほど痩せていきます。

しかし・・・ライザップという極端な糖質制限と運動を組み合わせたダイエットプログラムを提供する会社がありました。
しかし1 ヶ月程度で、血液検査にて肝機能が悪化してプログラムを中断する人が存在します。
これは極端な糖質制限をしながら、不飽和脂肪酸制限をしていないため、急激に体内に放出された不飽和脂肪酸によってダメージを受けて起きたものだと考えられます。
大量の脂質を処理しきれないため、脂肪肝の状態になってしまうからです超低カロリーダイエットの研究があります。

21 名の肥満患者を集め、1日600 〜800 キロカロリーの超低カロリーダイエットを行い8 週間の追跡調査を行いました(当然脂質はコントロールしてません)

しかし、ダイエット開始1週間後に、一時的に心臓脂肪がダイエット前に比べなんと44% も増加していたのです。

そして、心臓機能の低下していました8週間後には心臓機能も改善していたので、その悪影響は一時的ではありましたが、急激な減量は体に悪いということは証明された形となりました。

糖質制限でダイエット成功の本を書いた著者は(http://analyst-ex.com/L121768/p35/1s61/3 )心不全で急死されたそうです急激なダイエットは命を危険にさらす行為であると知ってください

7回目の健康マガジンは、リバウンドについてです。

ダイエットを安全に遂行するためには単純にエネルギー(カロリー)を減らすだけでは不十分です。

ダイエット業者のやり方は一般に、2ヶ月間程度の徹底した食事制限で結果を出させる方法です。

確かにメニューをこなせば痩せることはできるかもしれません。

しかしその減量は決して「健康的」な減量ではありません。

前回お話ししましたが、ダイエット初期には急激な脂肪分解を強いたためと考えられる肝機能障害が生じてしまう人もいます。

表にはでてきませんが、多くのダイエット成功者はその後リバウンドしています。

 

しかし一旦結果を出してしまえばダイエット業者は痛くも痒くもありません。

⻑期の結果に責任をもって提供しているわけではないのです。

リバウンドすれば、再プログラムを提供することも可能なので会社としてはリバウンドを喜んでいる可能性もあります。

急激な減量と直後のリバウンドは体に相当のストレスを与えます。

若い時は問題ないかもしれませんが、40代以降の減量では決して適切なものとはいえませんダイエットしてもリバウンドしてしまう。

その理由は何かを次回、考えたいと思います

8回目の健康マガジンはリバウンドの原因についてです。ダイエットリバウンドの原因は2つあります。1つはマインド(思考)を変えずにダイエットに入っていること。

もう一つは栄養不足の状態でダイエットを続けてしまったことです。

まず、ダイエットを行う上でマインドは非常に大事です。

このダイエットは何のためにやっているのか︖どんな状態でもいいからただ痩せたい、役者が役作りのためだとか、ボクサー、柔道家、レスリング選手が戦いの場に立つためであれば手段を選ばず痩せればいいと思います。

それが終わったら、また食べて太っても、その人の責任でやってもらえればいいでしょう。

ダイエットしたい目的は単に痩せることではないはずです

真の目的は、痩せることによって、今より健康的になることだと思います。

肥満であるだけで、高血圧、脂質代謝異常症、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、アルツハイマー病、そしてがんのリスク因子です。

やせることによって、そのような疾患に罹患(かかること)する確率がかなり下がります。

単に⻑生きするためではなく健康寿命を延ばして、70代、80代であってもいつまでもバリバリ働ける体を手に入れたい

世界各地を旅行に行ったり、趣味のゴルフやランニングなどスポーツを⻑く楽しく続けたい

健康的なダイエットは単なる通過点です。

ダイエットが目的では達成すれば終わりです” 

ダイエットの目的は健康的な体を回復すること” 

というマインドを持つことによって健康を意識した生活を継続的に送ることができます

9回目の健康マガジンはリバウンドしてしまうダイエットの原因についての2つ目です。

リバウンドしてしまうダイエットの原因としてマインド(思考)が大切である話を前回しました。

今回はもう一つの原因エネルギー不足のダイエットを行ったことについてお話しします。

 

単純に食べたいものを必死に我慢して減量を続けることはどこかで我慢の限界がきます。

ダイエットを継続していくためにはエネルギーが十分な状態でなければ⻑期的に続けていけません。

ダイエットをする際に満たすべき事項が4つあります

(1 )脳のためのエネルギーをとる

(2 )細胞のための栄養素をとる

(3 )無用な毒素を排除する

(4 )食事で満足感が得られること

 

脳のためのエネルギーが十分に摂取されていなければ脳がいつも食べたい欲求を持ち続け食欲を抑え込むことができません。

それでは脳のためのエネルギーとは何か︖

次回はそのお話をしたいと思います

10回目の健康マガジンはブドウ糖に関してです。

ヒトのエネルギーのメインはブドウ糖です。

ブドウ糖が細胞内に取り込まれエネルギーが産生されます。

ブドウ糖はデンプン(米、小⻨など)や糖類(砂糖など)が分解されて作られます。

ダイエットによって糖質をカットすると、ブドウ糖濃度が下がって脳のエネルギー不足の状態になります。

 

その状態を⻑く続けることがストレスとなるため再びデンプン、糖類を摂取します。

いつまでも頭が糖質を求め続けることになります。

しかし、人にはブドウ糖以外にもう一つ使うことができるエネルギーが存在します。

そのエネルギーは主に飢餓状態で作り出されるエネルギーです。

飢餓状態が3日ほどたつと肝臓が体脂肪を分解して「ケトン体」という分子を作り始めます。

そして脳は、この「ケトン体」をエネルギーとして利用することできます。

 

そのために、食料が得られなくても認知機能、思考を保ち続けることができます。

ケトン体を誘導するには飢餓状態が持続すること以外に

1)低インスリン(血糖を下げるホルモン)であること

2)特定の脂質をとること

によって誘導されます。

低糖質を持続しながらダイエットを遂行するためには、エネルギーを脂質中心にしてインスリンを放出させず特定の脂質をしっかりとって、ケトン体を誘導することが重要です

10回目の健康マガジンはケトン体についてです。

ケトン体は脂肪酸を酸化して得られたアセチルCoA という物質から合成されるアセト酢酸、β- ヒドロキシ酪酸の呼び名です。

脳には血液脳関門というバリアがあり脂肪酸はそのバリアを通過できません

そのため、普段脳はぶどう糖のみをエネルギーとして使用します。

糖を代謝してアセチルCoA を合成しそこから、エネルギーを獲得しています。

通常は糖が代謝の中心となっておりこの状態をシュガーバーニングといいます。

糖分を摂取している状況ではアセチルCoA はエネルギーとして分解されますが、糖分がない状況ではアセチルCoA からケトン体がつくられます。

アセチルCoA は体内の脂肪を分解してできた脂肪酸から作られます。

 

脂肪が代謝の中心となっている状態をファットバーニングといいます。

 

脂肪酸と異なり、ケトン体は糖と同じく血液脳関門を通過することができます。

糖質が枯渇している状況では、脳内で再びケトン体をアセチルCoA に戻してエネルギーを取り出します。

ファットバーニングの状態ではケトン体が代謝の中心となるのです。

するためには、エネルギーを脂質中心にしてインスリンを放出させず特定の脂質をしっかりとって、ケトン体を誘導することが重要です

12回目の健康マガジンはココナッツオイルについてです。

ココナッツオイルは飽和脂肪酸が80 %以上を占め、そのうち6 割が中鎖脂肪酸です。

中鎖脂肪酸は容易に血液中に溶けるため肝臓に運ばれてすぐに分解されます。

 

中鎖脂肪酸は糖と同じくらい短い時間でエネルギーを得ることができます。

それに対して⻑鎖(大部分の脂肪酸)は水に溶けないため血液中では特殊な容器に詰め込まれます(カイロミクロン)。

 

一旦リンパ管の中に入るため血液にの流れに戻るには時間がかかります。

その後、肝臓にたどり着いて初めて代謝されるためエネルギーになるまでに時間がかかります

脂肪(中性脂肪)を作る3つの脂肪酸のうち2つ以上が中鎖脂肪酸である脂肪をMCT といいますこのMCT のみを抽出して製品化されているものがMCT オイルです。

糖質をカットしている状況でもココナッツオイル、MCT オイルを投与すると短い時間でエネルギーを獲得できるため糖の渇望を抑えることができます。

安全なダイエットに必要な要素はどのようなアブラを摂取するかがとても重要です。

 

13回目の健康マガジンはダイエットの停滞期についてのお話です。

カロリーベースで糖質をカットすると単純に飢餓状態に置かれる状況のため体重は減少します。

しかしその後飢餓状態を切り抜け生き延びるために体は代謝を落として低栄養の状態にフィットしようとします。

適切にエネルギー摂取をしなければ体重減少はあるところで止まってしまいます。

これが単純な糖質制限でしばしば見られるダイエットの停滞です。

からだには十分なカロリーを入れてあげなければ体内の脂肪を燃やし続けてくれません

以前に糖質を制限しながら飽和脂肪酸中心の脂肪を摂取し不飽和脂肪酸摂取(オメガ6)を控えることが重要とお伝えしました。

飽和脂肪酸がよいアブラである理由は安定していて酸化しにくい点です不飽和脂肪酸のなかでも不飽和結合が1つしかない脂肪酸は同様に安定しています。

 

不飽和結合が1つしかない不飽和脂肪酸を1価不飽和脂肪酸(単価不飽和脂肪酸)といいます(不飽和結合が9 番に1つだけなのでオメガ9脂肪酸ともよばれる)

ほとんどの動物性油脂に含まれオリーブ油、アボカドの主成分であるオレイン酸は1価不飽和脂肪酸の代表的なものです。

摂取するアブラとしてオリーブ油、アボカド(オイル)が推奨される理由です。

コレステロールが悪いといわれるようになった理由はご存知ですか

 

脂肪酸は二重結合のあるなしで飽和脂肪酸(Saturated Fatty Acid, SFA )と不飽和脂肪酸(Unsaturated Fatty Acid, UFA) に分けられることは以前にお話ししました。

 

1950-60 年代飽和脂肪酸は悪い油と指摘をうけました

 

同時に飽和脂肪酸が含まれる肉類、乳製品の脂質である動物性の脂質には多くのコレステロールが含まれています

 

コレステロールとはステロールと呼ばれる有機化合物の一種で胆石の中から初めて同定されました(chole( コレ)=胆のという意味)

動物性の脂質が良くないとされていたためそれに多く含まれるコレステロールも同様に悪者にされてしまいました

 

植物油はもともとコレステロールを含まないためコレステロールフリー(ゼロ)である植物油の摂取が推奨されるようになりました

 

この指針は、もともとは1961 年雑誌「TIME 」で米ミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が飽和脂肪酸を多く摂取する7か国で心疾患が多いと発表したことが始まりでした

この国の中には日本も含まれていました

動物性脂質に多く含まれる飽和脂肪酸は体に悪いと信じられてきました。

しかし2000 年以降飽和脂肪酸の摂取と心疾患に関して必ずしも関連がないということが発表されるようになってきました。

 

同時に、アンセル・キーズ博士の研究も2016 年重大な欠点が指摘されました博士の行った「7カ国スタディ」という研究は世界7カ国(米国、フィンランド、オランダ、イタリア、ギリシャ、ユーゴスラビア、日本)の心臓病と食事との関連を研究し「コレステロール値が高いと心筋梗塞のリスク上がる」という結論を導きました

 

しかし、博士は実は22カ国のデータ収集を行っていたにも関わらず「飽和脂肪酸悪玉説」に合致するような都合の良いデータが取れた7カ国のデータのみを研究に使用していたのです。

 

実は1960 年代米国の砂糖業界は研究者らに資金を提供し研究者らは、あろうことか砂糖業界にとって都合の良いように結果を操作し、心臓病の責任を脂肪だけに押し付けるような結論を導き出すようにも誘導していました

 

同時代に、クイーン・エリザベス大学栄養学教授のジョン・ユドキン博士は過剰な糖の摂取こそが冠動脈性心疾患の原因と指摘しました

 

しかし、この意見は黙殺されました炭水化物が心臓病において深刻な影響を及ぼすというユドキン博士の説を無視していなければ今日のように、心臓病や肥満が蔓延している状況は異なっていたでしょう

 

ひっそりと2015 年に日本の厚生労働省もコレステロールの摂取目標を撤廃しています

いました

飽和脂肪酸は炭素原子(C )の数によって

7 以下  短鎖脂肪酸
8-12  中鎖脂肪酸
13 以上 ⻑鎖脂肪酸

と分類されます

脂肪(中性脂肪)には
脂肪酸が3つ含まれていますMCT オイルとはどんなオイルか︖
というと含まれる3つの脂肪酸のうち中鎖脂肪酸が2 つないし3 つ含まれている中性脂肪のことを意味します
MCT オイルは積極的に燃える脂肪、ダイエットにも有効な中性脂肪といわれます(International Journal of Obesity, 2003, 12975635) (The Journal of Nutrition, 2002, 11880549)

腸の中でMCT オイルが分解されると中鎖脂肪酸が生じます通常脂肪酸は水に溶けにくいため直接血液の中に入りません

しかし中鎖脂肪酸は水に溶けることができるため直接血管の中に入り肝臓に運ばれます

中鎖脂肪酸は肝臓でそのまま代謝されてエネルギーとなるかケトン体に合成されます

脳はケトン体をエネルギーとして使うことができます

人の脳は年齢を重ねるにつれて糖をエネルギー源として使用できにくくなっていきますしかし、脳の糖代謝が落ちている状況でもケトン体は使うことができますそのため、MCT オイルは脳機能の改善効果も期待されています
(Psychopharmacology 2016, PMID:27568199 )

ひっそりと2015 年に日本の厚生労働省もコレステロールの摂取目標を撤廃しています

飽和脂肪酸のうち短鎖脂肪酸(炭素7 個以下)と中鎖脂肪酸(炭素8 -12 個)は水に溶け容易にエネルギーとして利用されます

 

そのため、血液に溶けた脂肪酸は血流にのって腸から肝臓に至ります

 

それに対して⻑鎖脂肪酸(炭素13 個以上)は水に溶けないため直接血液に入ることができません

 

小腸の細胞でカイロミクロンと呼ばれるものの中に組み込まれ、水に溶ける形に変えられてからリンパ管に入ります

 

すぐに血液に入らずに一旦リンパ管に入って体の中を巡った後にようやく血液の中に戻されます

そのため、各臓器に至るまでに時間がかかります

 

⻑鎖脂肪酸が全身で分解されてエネルギーになるためには時間がかかってしまうのです

 

その間はすぐにエネルギーとして使用できる糖が優先的に使用されます

 

時間がたってエネルギーとして使用する需要がなければ、単純に脂肪組織で中性脂肪の形で保存されます

ひっそりと2015 年に日本の厚生労働省もコレステロールの摂取目標を撤廃しています

⻑鎖脂肪酸(炭素数13 以上)のうち多価不飽和脂肪酸と呼ばれるオメガ6 脂肪酸(ω6 PUFA )は多くの植物由来の油に含まれています

 

ごま油、なたね油、大豆油、ひまわり油、コーン油などにはω6 PUFA が大量に含まれます

 

ω6 PUFA は、現代人が摂取しすぎていると指摘されている油です

 

ω6 PUFA は生体機能の維持や細胞膜の成分として必須で必須脂肪酸と呼ばれています

 

しかし同時に炎症を引き起こす脂肪酸としても知られています

 

ω6 PUFA は過剰な摂取により

 

1 )肥満を招く

2 )血栓や動脈硬化の原因となる

3 )アレルギーやアトピーの原因となる(家ダニや花粉を寄生虫と間違えて炎症を起こす)

などが指摘されています

 

ひっそりと2015 年に日本の厚生労働省もコレステロールの摂取目標を撤廃しています

オメガ6不飽和脂肪酸(ω6PUFA )は必須脂肪酸と呼ばれる脂肪酸の一種で細胞の膜の構成に必須の成分です

 

もう一つ必須脂肪酸にω3PUFA と言われるものがあります

 

主に魚油やチアシード、ヘンプシード(麻)、フラックスシード(亜麻仁)に多く含まれています

 

ω6PUFA は炎症を引き起こすのに対してω3PUFA は炎症を抑えますそのため体の中ではこの2 つのバランスが非常に大切です

 

理想的な摂取比率はω6PUFA ︓ω3PUFA =2:1 とされています

 

しかし現代人は実際にはω6PUFA ︓ω3PUFA =40 : 1 と極端なω6PUFA 過剰状態です

 

ω6PUFA 脂肪酸の摂取が増えれば体の中で蓄積される脂肪に含まれるω6PUFA の割合も増えます

 

エネルギーが足りないもしくはダイエット等で脂肪の分解がおこると血液中に大量のω6PUFA (ω3PUFA も)が出てくることになります(水にとけないのでアルブミンというタンパク質と結合した形で)

 

血液中に流出した大量のω6PUFA は容易に酸化されて(さびて)アルデヒド(過酸化脂質)になります

 

アルデヒドは猛毒で体の中で様々なトラブルを引き起こします

 

特にミトコンドリアでのエネルギー産生を阻害することが問題となります

 

ミトコンドリアは細胞内のエネルギー産生場ですがここのエネルギー産生が止まるということは細胞障害、細胞死を意味します老化、ガン化などあらゆる障害の引き金になる可能性があるということです

 

体脂肪がω6PUFA 過剰な状態であるということは時限爆弾を抱えている様なものだというイメージを持つ必要があります

 

体脂肪のω6PUFA の割合を減らすことについてです。

ダイエットの初期にはこれまで溜め込んできた脂肪が分解されて脂肪酸が大量に血液中に流れだします

 

植物油を大量に摂取する現代人は当然流れ出す脂肪酸がω6PUFA である割合が多くその代謝産物でアルデヒドが血液中に多くなってきます

 

大量に発生するアルデヒドが起こす問題は無視できません

 

ダイエットの初期には、糖質の制限だけではなく体にとって良いアブラをしっかり摂取して過剰に体脂肪が分解しないようにする必要があります

 

食品から良質な脂質を摂取すると体脂肪内のω6PUFA の割合も減ってくることになります

 

良い脂質の定義は酸化されない(傷まない)脂質です酸化されにくい脂質の代表は飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸(ω9 不飽和脂肪酸)を多く含む脂質です

飽和脂肪酸は

動物の肉(牛、豚、鳥)、

牛乳(グラスフェッド)、

バター、

卵⻩、

ココアバター、

ココナッツオイル

に多く含まれます

 

一価不飽和脂肪酸は

オリーブオイル、

アボカドオイル

です

 

よってこれら食品を意識的に摂取することが重要となってきます

 

22回目の健康マガジンは、飽和脂肪酸は積極的に摂るべきだというお話です。

飽和脂肪酸は、

動物の肉(牛、豚、鳥)、牛乳、バター、卵⻩、ココアバター、ココナッツオイル

に多く含まれます

飽和脂肪酸は積極的に摂取すべきではないということを聞いたことがあるかもしれません

すなわち、上記の食品をたくさん摂取して大丈夫であるか︖

心配になると思います

⻑らく欧米では飽和脂肪酸は心筋梗塞や脳卒中のリスク因子と考えられていました

しかし近年では、その結果は必ずしも証明できないということが多くの疫学的研究で報告されています

日本からの研究報告からも飽和脂肪酸摂取と心筋梗塞のリスクは関連を認めないと報告されました

逆に、脳出血、脳梗塞などの死亡リスクは飽和脂肪酸を摂取した方が低下していました(Am J Clin Nutr, 2010, 20685950 )

よって飽和脂肪酸を摂取すること自体はリスクであると考える必要はありません

同じく動物性脂質にはコレステロールが多く含まれており、心配をしている方がいるかもしるません

しかし大量にコレステロールを含む食品を摂取しても血中コレステロールはほとんど上がらません

コレステロール自体は体内で合成される割合が高いためです

実はこのコレステロールという単語も実際はコレステロールを見ているわけではないのですが、その話は追々に

体内のコレステロール合成の原料にするためにも食品からのコレステロールは積極的に摂取すべきです

飽和脂肪酸を含む食品は積極的に取るべきと認識を新たにする必要があります

第23回目の健康マガジンは、安全に飽和脂肪酸を摂取する方法についてです

飽和脂肪酸は積極的に摂取しても構わないという考えは最近では広く受け入れられてきています

しかし、ゼロリスクというわけではないということは過去の研究結果がしめしています

そのために安全に飽和脂肪酸を摂取する方法について考えておく必要があります

その答えのヒントを示す研究が存在します

40 人の体重過多の男女に低糖質食(糖質12 %脂質59 %)と低脂質食(糖質56 %脂質24 %)の食事を摂取してもらい12 週間後血液検査をおこないました

すると、低糖質グループは3 倍の飽和脂肪酸を摂取していたにもかかわらず、両グループとも中性脂肪の値は低下しました(Lipids, 2008, 18046594 )

しかも低糖質(高脂質)の食事の方が低脂質食の3 倍中性脂肪が低下していました

血液中の中性脂肪の中の飽和脂肪酸の割合は両群で変わりはありませんでした

 

ということは・・・3 倍の飽和脂肪酸を摂取したにもかかわらず、低糖質群ではより多くの飽和脂肪酸が分解されたことになります

飽和脂肪酸摂取は糖質を控えることで、安全に摂取でき、またエネルギーとしてしっかり利用できることを意味します

この研究では低糖質食の方が炎症を抑える効果が高いことも示されています

 

第24回目の健康マガジンは、飽和脂肪酸の続きです。

脂肪酸は、不飽和結合(-C=C-) を持つと容易に酸化されてしまいます

全ての炭素(C) の結びつきが飽和結合(-C-C-) でできている脂肪酸が飽和脂肪酸です

飽和脂肪酸は不飽和結合がないので酸化されにくい最も安定した脂肪酸です

不飽和脂肪酸の中でも、不飽和結合を1 つしか持たない一価不飽和脂肪酸は同様に安定した脂肪酸です

一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸、パルミトレイン酸などがあります

これらの脂肪酸はオリーブオイル、アボカドオイルに多く含まれています

 

アルデヒドは、これまで伝えてきたようにDNA に損傷を与えてがんを誘発したり、アテローム性動脈硬化の原因を起こす物質です

一価不飽和脂肪酸は活性酸素と反応してアルデヒド(過酸化脂質)になりにくいため体にとって良いアブラとなります

オレイン酸はヒトの体のなかでも作られて

ヒトの肌に潤いを与える皮脂はその組成の41 %はオレイン酸です

そしてもう一つのパルミトレイン酸も皮脂の成分ですが、年齢が若い10 代の肌に多く含まれます

若返りの美肌を期待するならパルミトレイン酸を多く含むアボカドやマカデミアナッツをより多く摂取した方がいいかもしれません

れています

第25回目の健康マガジンは、おじさんの加齢臭についてです

誰もいない部屋に入った時ふと” このにおい・・・” なんとも言えない” おやじ” 特有の香りがするときがあります

エレベーターに乗った時においがすればさっきあの人が乗ったなとか分かったり場合によっては町ですれ違ったとき見知らぬおじさんからもにおいがする

このおじさん特有のにおいはいわゆる加齢臭ってやつです

この臭いはパルミトレイン酸が酸化して生じたノネナールが原因です

 

ノネナールは正式には不飽和アルデヒド2 -ノネナールといい体内の活性酸素、アルデヒド(過酸化脂質)によってパルミトレイン酸が酸化することで発生します

10 代の子の皮脂にはパルミトレイン酸が豊富に含まれています

しかしおじさんが10 代の肌を取り戻そうとパルミトレイン酸を摂取しても、体が脂質を酸化させるような状態では、ただ単に加齢臭を増強させるだけになる可能性が高いです

加齢臭を防ぐには、からだの酸化を防ぐような食生活をまず取り入れなければなりません

からだの酸化を防ぐために最初に取り組む食事とはお分かりですね︖

そう低炭水化物食です

 

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第23回目の健康マガジンは、おじさんの加齢臭についてです

誰もいない部屋に入った時ふと” このにおい・・・” なんとも言えない” おやじ” 特有の香りがするときがあります

エレベーターに乗った時においがすればさっきあの人が乗ったなとか分かったり場合によっては町ですれ違ったとき見知らぬおじさんからもにおいがする

このおじさん特有のにおいはいわゆる加齢臭ってやつです

この臭いはパルミトレイン酸が酸化して生じたノネナールが原因です

 

ノネナールは正式には不飽和アルデヒド2 -ノネナールといい体内の活性酸素、アルデヒド(過酸化脂質)によってパルミトレイン酸が酸化することで発生します

10 代の子の皮脂にはパルミトレイン酸が豊富に含まれています

しかしおじさんが10 代の肌を取り戻そうとパルミトレイン酸を摂取しても、体が脂質を酸化させるような状態では、ただ単に加齢臭を増強させるだけになる可能性が高いです

加齢臭を防ぐには、からだの酸化を防ぐような食生活をまず取り入れなければなりません

からだの酸化を防ぐために最初に取り組む食事とはお分かりですね︖

そう低炭水化物食です

 

 

れています

健康マガジン27は、 共役リノール酸についてです

共役リノール酸は牛乳やチーズといった乳製品に多く含まれていますまたひまわりの種も含まれていることが知られています

一般に健康に悪影響を与えるといわれるトランス脂肪酸の一つですが実際は共役リノール酸は抗癌効果など健康上のメリットを多数持っています(Nutr Cancer . 2015 25412117 )

1 脂肪を燃焼させる共役リノール酸は、脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼを活性化しますその結果脂肪を燃えやすくしてくれます
また細胞の中に脂肪を取り込む働きを抑えます
人の研究でも共役リノール酸を3 ヶ月摂取したところ体脂肪の減少効果がしめされています(J Nutr . 2000 11110851 )

2  筋肉増強効果成人男性10 名に共役リノール酸を1 日6g 、3 週間摂取させ運動したところ、男性ホルモンのテストステロンが増加しました(J Strength Cond Res . 2012 22614148 )
テストステロンは男女ともに筋肉増強作用、アンチエイジングに関係します

3  免疫調整作用動物実験でラットに共役リノール酸を1% 含む餌を3 週間摂取させたところ、脾臓および腸間膜リンパ節の免疫物質であるIgA 、IgG 、IgM という抗体の産生を増加させ、IgE の減少が見られました

IgE はアレルギーを引き起こす抗体です
共役リノール酸は免疫調節機能を持ちアレルギーを予防する効果が期待されています

共役リノール酸は牛などの反芻動物の胃の中でバクセン酸から合成されます
しかしヒトも共役リノール酸を合成できることが示されています
30 人の健康な若者26 人にバクセン酸を投与したところ体内で共役リノール酸の濃度が上昇しました(Am J Clin Nutr . 2002 12197992 )

牛肉、乳製品に含まれるバクセン酸、共役リノール酸はトランス脂肪酸ですが心配する必要はないと思います

健康マガジン28は、 トランス脂肪酸についてです

トランス脂肪酸は植物油脂を加工するときに生じます

この加工は水素添加と呼ばれこれにより常温で液体である植物油脂などは常温で半固体、固体になります

この水素添加の過程でトランス脂肪酸が一定の割合で形成されます

マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングにはトランス脂肪酸が含まれています

さらにそれらを用いて作られた菓子類などの食品、調理された揚げ物などには桁違いにトランス脂肪酸が含まれていると考えた方がよいです

コンビニのレジで揚げ物を買う、コンビニでお菓子を買う10 代の子たちはぞくぞくと健康被害が出てくると思います

トランス脂肪酸は糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めLDL コレステロール値を高め、心臓疾患を引き起こす物質として現在、米欧では使用規制されています

日本ではバターは、動物性油脂なので健康に良くない植物性油脂を原料として精製されているマーガリンの方が健康にいいと思っている人が今でもいます

 

現在トランス脂肪酸が含有されていないことを歌うマーガリンがたくさん売られていますが、トランス脂肪酸フリーの文言で警戒心なく摂取してしまっている実態があります

元の原材料は炎症を起こしやすい植物油脂(ココナッツ、オリーブ、アボカドを除く)であることを忘れてはいけません

マーガリン=アウトです

健康マガジン28は、 ココナッツについてです

ココナッツ(ヤシの実)とはヤシ科の植物でココヤシの果実です

外側は繊維質の厚い殻に包まれ内側には大きな種子があります

未成熟な種子はその内側が液体で満たされています

これがいわゆるココナッツジュースですこれを発酵させるとゲル状となりナタデココとなります

種子が成熟すれとともにココナッツジュースは固体に変わり、白く大きくなってきます

この固形部分をすり潰し、水もしくはお湯で成分を絞り出し、裏ごししたものがココナッツミルクですココナッツミルクはカレーやお菓子などに幅広く利用されます

ココナッツオイルもココナッツの固形部分から作りれていますが乾燥した固形部分から圧搾して得られた油脂を精製したものですタンパク質や炭水化物は含まず油脂のみが含まれます

 

つまり、ココナッツオイルはココナッツミルクから油脂分のみを抽出したものです

ココナッツオイル、ココナッツミルクはいずれも中鎖脂肪酸のラウリン酸のほか抗酸化物質のトコトリエノール(ビタミンE )も豊富に含まれています

 

ココナッツミルクにデンプンやデキストリンなどカゼインナトリウムを乳化剤として加えて乾燥させたものがココナッツミルクパウダーです

お湯や牛乳で戻すと再びココナッツミルクに戻るとされています

実際は乾燥によって風味成分が失われれため生のココナッツミルクに比べると風味はよろしくありません

健康マガジン28は、アルツハイマー型認知症についてです

アルツハイマー病は原因不明の進行性の疾患で脳細胞が萎縮する脳の病です

残念ながら、発症する正確なメカニズムは分かっていません

しかし抗酸化物質、野菜や果物を多く摂ることが発症を食い止めるのに有効であることが報告されています(Am J Med . 2006 16945610 )

そしてオメガ3 不飽和脂肪酸(ω3PUFA )であるドコサヘキサエン酸(DHA )がアルツハイマー型認知症の予防効果があることが島根大のグループから報告されました(J Pharmacol Sci . 2011 21606627 )

 

また血中のDHA 濃度が低い人はアルツハイマー型認知症の危険因子であるという疫学的データも示されました(Arch Neurol . 2003 12873849 )

ω3PUFA は海洋プランクトンによって生産される物質ですので、海で獲れる魚介類が最も重要な供給源となります

健康マガジン31からは、糖質の話題に移ります

1961 年米ミネソタ大学のアンセル・キーズ博士は日本を含む7 カ国での研究結果を発表しました

飽和脂肪酸を多く摂取する国では心疾患を患う人が多いという結果でした

 

その結果を踏まえてアメリカでは飽和脂肪酸を多く含む動物性の肉と脂肪を減らすように指導が行われました

その結果は・・・期待に反したものでしたアメリカの肥満は2 倍以上になり心臓疾患は減るどころか増加しつづけました

 

これはタンパク質と脂肪の摂取を減らしたために結果的に糖質(米、小⻨、イモ類)の摂取量が増えたことによります

またソーダ、お菓子などから摂取する砂糖の量が急増したことも原因の1 つでした。

糖質が増えると、インスリンの分泌を刺激します

インスリンは脂肪の合成と蓄積を促進するので体脂肪が増えて肥満になったというわけです

清涼飲料水、クッキーだけを我慢すれば痩せるわけではありません

砂糖と同じくらい高GI (グリセミック指数)、高GL (グリセミックロード)のごはんやパン、パスタなどでんぷん質も制限しなくてはならないのです

さらに肥満になればなるほど、インスリンが効きにくくなります

血糖値が下がりにくくなるため膵臓はさらにインスリンの量を増して対応しようとします(インスリン抵抗性)

 

この結果高インスリン血症となり、さらに悪化すると糖尿病(2 型糖尿病)にいたります

この高インスリン状態はがんや動脈硬化やメタボリック症候群の発症リスクを高めることが多くの研究で確かめています。

高インスリン=悪、肥満、慢性疾患です

高インスリン血症は肥満の人だけの問題ではありません

日本人はアメリカ人に比べて比較的体格が痩せていてもインスリン抵抗性を示すことが多いのです

健康マガジン32は、AGEsについてです

ホットケーキを焼くとこんがり茶色になって焼けていきます

また肉や玉ねぎを焼くと褐色になったりデミグラスソースコーヒー豆なども加熱すると褐色に変わっていきます

この現象は糖とアミノ酸(たんぱく質も含む)を加熱したときに起こります

この反応をメイラード反応(褐変反応)といいます

体の中でメイラード反応を起こすと終末糖化産物(AGEs )というものを生み出します

このAGEs によって体内のたんぱく質の構造がゆがめられその結果、硬くなります

しわ、たるみ、肌つやの変化など目に見える部分の老化や、認知機能、肝臓腎臓疾患、糖尿病、心血管疾患を引き起こしていきます

アンチエイジングとは、体内のメイラード反応を抑制してAGEs の産生を抑えて老化を遅らせること、再度若返りを図ることです

健康マガジン31からは、糖質の話題に移ります

1961 年米ミネソタ大学のアンセル・キーズ博士は日本を含む7 カ国での研究結果を発表しました

飽和脂肪酸を多く摂取する国では心疾患を患う人が多いという結果でした

 

その結果を踏まえてアメリカでは飽和脂肪酸を多く含む動物性の肉と脂肪を減らすように指導が行われました

その結果は・・・期待に反したものでしたアメリカの肥満は2 倍以上になり心臓疾患は減るどころか増加しつづけました

 

これはタンパク質と脂肪の摂取を減らしたために結果的に糖質(米、小⻨、イモ類)の摂取量が増えたことによります

またソーダ、お菓子などから摂取する砂糖の量が急増したことも原因の1 つでした。

糖質が増えると、インスリンの分泌を刺激します

インスリンは脂肪の合成と蓄積を促進するので体脂肪が増えて肥満になったというわけです

清涼飲料水、クッキーだけを我慢すれば痩せるわけではありません

砂糖と同じくらい高GI (グリセミック指数)、高GL (グリセミックロード)のごはんやパン、パスタなどでんぷん質も制限しなくてはならないのです

さらに肥満になればなるほど、インスリンが効きにくくなります

血糖値が下がりにくくなるため膵臓はさらにインスリンの量を増して対応しようとします(インスリン抵抗性)

 

この結果高インスリン血症となり、さらに悪化すると糖尿病(2 型糖尿病)にいたります

この高インスリン状態はがんや動脈硬化やメタボリック症候群の発症リスクを高めることが多くの研究で確かめています。

高インスリン=悪、肥満、慢性疾患です

高インスリン血症は肥満の人だけの問題ではありません

日本人はアメリカ人に比べて比較的体格が痩せていてもインスリン抵抗性を示すことが多いのです

健康マガジン34 はフリーラジカルについてです

糖化反応で形成されるAGEs はフリーラジカルの産生を増大させます

フリーラジカルとは何か︖

通常、物質を形成する分子には2 個で対になった電子が存在します

対になった電子は安定した形で存在できます

 

もし電子が1 つしか存在しないと安定を得るために、他から電子を奪おうとします

その電子を奪う能力が高い物質をフリーラジカルと呼びます

大気中に含まる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものを活性酸素と呼びます

活性酸素にはいくつか種類が存在しますその中で、フリーラジカル現象をおこす物質が体内の物質を酸化させる問題を引き起こすためフリーラジカル=活性酸素と理解されることが多いです

老化=酸化と言っても過言ではありませんフリーラジカルに電子を奪われた物質は変形したり、その機能を失います

タンパク質だけでなく、脂肪、DNA さえも破壊されていきます

このフリーラジカルによる損傷を防ぐ、修復する物質が抗酸化物質です抗酸化物質についてはまた別の機会にお話しします

AGEs がフリーラジカルの産生を引き起こす主要な因子であることを考えると、アンチエイジングのためにはAGEs を発生させないことです

AGEs を形成させない一番の方法はAGEs を形成するような余分な糖質を減らすことこのことは重ねて強調します

必要以上の糖質を摂取しないようにして老化の進行を防止するこの意識が重要です

体内のメイラード反応(糖化反応)は血液中の糖によって引き起こされます

単純に糖と接する時間が⻑いほどAGEs( 終末糖化産物)が形成されやすくなります

AGEs の産生は老化のプロセスです健康的な生活を送っている人は、加齢にともなうAGEs の蓄積はそれほど多くはありません(健康な老化)

しかし、不適切な食生活や生活習慣、運動不足などによりAGEs の体内での蓄積は急激に増加していきます(不健康な老化)

AGEs を利用してどれほど老化が進んでいるかを計測することができます

AGEs スコアは、いわばその人の「生活習慣の成績表」と言えます。

脳と体のアンチエイジングはこの糖化反応を制限するか、遅らせることが目的です

高炭水化物の食事をしていながらではアンチエイジングを実現することはできません

単純に、ごはん、パン、パスタの制限だけでなく” 隠れ” 糖を認識し避けていく知恵も必要です

たとえば、清涼飲料水やお菓子などにふくまれる異性化糖(ぶどう果糖液糖)は

糖化反応のスピードが10 倍になるといわれています

ケチャップ、ドレッシング、ソースなど現代では裏のラベルをよく見て摂取するものを吟味する必要があります

健康マガジン36は、AGEs とLDL コレステロールについてです

たんぱく質、脂質などが糖化して生成されるAGEs (終末糖化産物)は炎症を引き起こします

AGEs は糖尿病だけでなく、血管に対するダメージも引き起こします血管のダメージは当然脳の血流を阻害します

アルツハイマー病、認知症を引き起こすリスクになるということです

一般に悪玉コレステロールと呼ばれるコレステロールがありますこのコレステロールはLDL コレステロールという血液中に存在するリポタンパク質です

リポタンパク質とは脂質とタンパク質が結合した球状の粒子です

脂質は水(血液)にとけないため脂質を運ぶためにこういった物質を体が作って体中に運搬しているのです

よって一般に採血で言われているコレステロールとはこのリポタンパク質のことで本当のコレステロールはこのリポタンパク質で運ばれている脂質の1つです

よってLDL コレステロール=コレステロールそのものではありません

LDL コレステロールは、体内にコレステロールを運んでくれる重要な物質で肝臓で日々作られています

すなわちLDL コレステロール自体は生命の維持に不可欠なものです

脳はその60 %は脂質でできておりコレステロールを最も必要とする組織です

例えば脳にとって必須であるLDL コレステロールを薬で下げるとどうなるか︖

想像してみてください

しかし、LDL コレステロールの中に含まれるコレステロールがフリーラジカルで酸化された酸化LDL は体にとって特に血管にとって有害です

LDL コレステロールが高いためにコレステロールを下げる薬を飲んだとしてもその背景にあるフリーラジカルを引き起こすAGEs の増加に対策を立てなければまったく役に立たない治療を受けていることになります

コレストロールを下げる薬の服用はさらに重大な事態を引き起こします。

少しむずかしいのですが、これから健康診断などをうけていく上で参考になさってください

 HbA1c( ヘ モ グ ロ ビ ン エ イ ワ ン シー)と 言 う も の を ご 存 知 で しょ う か︖

赤 血 球 は 血 液 の 中 で 酸 素 を 運 び ま す

 こ の 赤 血 球 の 中 に 存 在 す る タ ン パ ク 質 が ヘ モ グ ロ ビ ン ( Hb ) で す

タ ン パ ク 質 で あ る ヘ モ グ ロ ビ ン に ブ ド ウ 糖 は 自 然 に 結 合 し ま す (糖 化 反 応、 メ イ ラー ド 反 応)

血 糖 値 が 高 け れ ば 赤 血 球 の ヘ モ グ ロ ビ ン に は 多 く の 糖 が 結 合 し ま す

 HbA1c は 糖 が 結 合 し た ヘ モ グ ロ ビ ン の 値 で す ヘ モ グ ロ ビ ン の 寿 命 は 約 90 日 で あ る た め、 HbA1c は 2-3 ヶ 月 間 の 平 均 血 糖 値 の 指 標 に な り ま す HbA1c の 値 が 高 け れ ば 血 液 の 中 に 糖 が た く さ ん あっ た こ と に な り ま す HbA1c は、 糖 尿 病 患 者 で は 治 療 効 果 の 指 標 に 使 わ れ ま す 健 康 診 断 で は、 糖 尿 病 を 発 見 す る た め に 使 わ れ ま す

糖 が つ い た タ ン パ ク 質 で あ る た め HbA1c は 実 は、 AGEs (終 末 糖 化 産 物) を 測 定 し て い る こ と と 同 じ 意 味 で す

 HbA1c の 高 値 は 糖 尿 病 だ け で は な く AGEs と 関 連 が 示 唆 さ れ て い る ア ル ツ ハ イ マー 病、 認 知 症、 心 臓 血 管 疾 患 と の 関 連 も 示 さ れ て い ま す

 さ ら に HbA1c が 高 い 人 は 脳 が 萎 縮 す る こ と も 示 さ れ て い ま す ( Neurology, 2005) HbA1c が 5.9-9.0 の 人 た ち は、 4.4-5.2 の 人 た ち に 比 べ て 脳 の 萎 縮 割 合 が 2 倍 と 報 告 さ れ ま し た

さ ら に HbA1c の 値 は う つ 病 と の 相 関 も 示 さ れ て い ま す ( Psychol Med. 2011 ) HbA1c は 血 糖 値 を み る た め の も の だ け で は な く、 年 齢 を 重 ね て も 脳 を 維 持 で き る か を 見 る 指 針 で も あ り ま す

血 糖 が 高 い の は 血 液 中 に 糖 が 入っ て も す ぐ に 細 胞 内 に 取 り 入 れ る こ と が で き な く なっ て い る か ら で す ど の よ う に し た ら、 こ の 血 液 中 の 糖 を 素 早 く し 細 胞 内 に 取 り 入 れ る こ と が で き る か︖

こ れ を 考 え る 必 要 が あ り ま す

体 の 中 の 血 糖 値 は、 膵 臓 に よっ て 厳 密 に コ ン ト ロー ル さ れ て い ま す

 

食 事 を とっ て 血 糖 が 上 がっ た 時 は 膵 臓 か ら イ ン ス リ ン と い う ホ ル モ ン が 分 泌 さ れ ま す

 

イ ン ス リ ン は 素 早 く 細 胞 内 に 糖 を 入 れ る 役 割 を 果 た し ま す

 

逆 に 血 糖 値 が 下 がっ た 時 は、 グ ル カ ゴ ン と い う ホ ル モ ン が 膵 臓 か ら 分 泌 さ れ 血 糖 値 が あ げ ら れ ま す

 

 こ の よ う に し て 体 は 血 糖 値 を 一 定 の 範 囲 に な る よ う に コ ン ト ロー ル し て い ま す

 

ホ ル モ ン 以 外 に も 膵 臓 は 消 化 液 の 分 泌 を 行っ て い ま す

 

 炭 水 化 物 も、 た ん ぱ く 質 も 脂 質 も そ の 分 解 に は す べ て 膵 臓 の 消 化 液 が 使 わ れ ま す

 

膵 臓 は 体 の 中 で マ ル チ タ ス ク (複 数 の 仕 事) を こ な す スー パー 臓 器 で す

 

 血 糖 を 下 げ る イ ン ス リ ン は 膵 臓 の ラ ン ゲ ル ハ ン ス 島 と い う 領 域 か ら 分 泌 さ れ ま す

 

イ ン ス リ ン は 血 糖 を 下 げ る 以 外 に も 脂 肪 の 代 謝 に 大 い に 関 係 し ま す

 イ ン ス リ ン が 分 泌 さ れ る と 脂 肪 燃 焼 を 止 め て 脂 肪 を 蓄 え ま す

 

 イ ン ス リ ン が 分 泌 さ れ る 状 況 = 血 糖 値 が 上 が る 状 況 = 糖 質 摂 取 糖 質 を と る 状 況 で は、 体 は 脂 肪 を 燃 や す の で は な く、 脂 肪 を 増 や す 方 向 に 舵 を きっ て い る こ と に な り ま す

 

糖 質 を とっ た ら 自 分 の 体 の 中 の 脂 肪 は 燃 え な い と い う こ と で す

今 日 は イ ン ス リ ン 抵 抗 性 に つ い て で す

 

膵 臓 か ら 分 泌 さ れ る イ ン ス リ ン は 糖 質 が 体 の 中 に 入 る た び に 分 泌 さ れ ま す

 

 現 代 で は 食 事 と 食 事 の 間 に 間 食 す る こ と も 多 く そ の 度 に イ ン ス リ ン が 分 泌 さ れ て 血 糖 を コ ン ト ロー ル し て い ま す

 

 し か し イ ン ス リ ン 分 泌 が 過 剰 に な る と イ ン ス リ ン の 効 果 が 出 に く く な る よ う に (血 糖 が 下 が り に く い よ う に) なっ て い き ま す

 

体 は 特 定 の 刺 激 を た え ず 受 け 続 け る と そ の 刺 激 に 対 し て 徐々 に 反 応 し に く く な る よ う に コ ン ト ロー ル さ れ ま す

 

こ の コ ン ト ロー ル が イ ン ス リ ン に 対 す る 刺 激 (結 果 と し て 血 糖 値 が 下 が る) に 対 し て も 起 こ り ま す

 

イ ン ス リ ン が 過 剰 に 出 る こ と で イ ン ス リ ン の 効 果 が 弱 まっ て し ま う こ と を” イ ン ス リ ン 抵 抗 性” と 呼 び ま す

 

 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 が あ る 場 合 血 糖 値 が 下 が り に く く な り ま す

 

 血 糖 が 高 い こ と に 反 応 し て 膵 臓 は さ ら に イ ン ス リ ン を 分 泌 さ せ よ う と 働 き 続 け ま す

 

ど ん ど ん イ ン ス リ ン が 分 泌 さ れ て い る 結 果 血 液 中 の イ ン ス リ ン が 高 い 状 態 た 続 き ま す

 

イ ン ス リ ン 抵 抗 性 で は 食 事 を とっ て い な く て も 血 液 の 中 に イ ン ス リ ン が 存 在 し 続 け る 状 態 と な り ま す

 

健 康 診 断 で 測 定 す る の は 空 腹 時 の 「血 糖 値」 の み で す

 

 実 際 に は、 糖 尿 病 の 危 険 を 判 定 す る に は 血 糖 が 高 く な い 状 態 で の 空 腹 時 「イ ン ス リ ン 値」 を 調 べ な い と い け ま せ ん

 

空 腹 時 「イ ン ス リ ン 値」 が 上 昇 し て い れ ば そ れ は 膵 臓 が 過 剰 に 働 き ” イ ン ス リ ン 抵 抗 性” が 存 在 し て い る こ と を 意 味 し ま す

 

血 糖 を 上 昇 さ せ る 刺 激 が 過 剰 に 働 い て い る す な わ ち、 炭 水 化 物 を 摂 り 過 ぎ て い る と い う 確 固 た る 指 標 で す

前 回 も お 話 し し ま し た が 非 常 に 重 要 な の で も う 一 度 書 き ま す

 

膵 臓 か ら 分 泌 さ れ た イ ン ス リ ン は 血 糖 値 を 下 げ る ホ ル モ ン で す

 

し か し イ ン ス リ ン が 体 内 で 過 剰 に 分 泌 さ れ る と イ ン ス リ ン の 効 果 が 現 れ に く い 状 態 に な り ま す

 

 す な わ ち 血 糖 値 が さ が り に く い 状 態 で す こ の 状 態 を イ ン ス リ ン 抵 抗 性 と い い ま す

 

血 液 検 査 で は 空 腹 時 の イ ン ス リ ン 値 が 高 値 で す

 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 は 糖 尿 病 の 前 段 階 で す が そ れ だ け で は あ り ま せ ん

イ ン ス リ ン 抵 抗 性 は 認 知 力 低 下 と 大 い に 相 関 が あ り ま す ( Arch Neurol. 2005 )

 

 今 糖 尿 病 で は な い か ら脳 疾 患 の リ ス ク は 低 い と 考 え る こ と は 望 ま し く あ り ま せ ん

 

イ ン ス リ ン 抵 抗 性 の 状 況 で は イ ン ス リ ン 値 が 高 く イ ン ス リ ン の 作 用 で 脂 肪 が 蓄 積 さ れ ま す

 

当 然 肥 満 に な り や す い 状 態 で す

 

⻑ ら く 脂 肪 細 胞 は 脂 肪 を 溜 め る こ と が 役 割 と 考 え ら れ て き ま し た

 

し か し 現 在 で は 脂 肪 細 胞 は 単 な る 貯 蔵 組 織 だ け で な く 重 要 な ホ ル モ ン 分 泌 組 織 と み な さ れ て い ま す

 

 特 に 内 臓 脂 肪 が 溜 ま り す ぎ る と そ の 脂 肪 細 胞 は 炎 症 を 誘 発 し ま す 炎 症 (慢 性 炎 症) = す べ て の 疾 患 の 原 因 健 康 診 断 で 正 常 で す と 判 定 さ れ た と し て も 、内 臓 脂 肪 が た まっ て い れ ば 決 し て 健 康 で は な い で す し 慢 性 炎 症 に 起 因 す る あ ら ゆ る 疾 患 が (高 血 圧、 糖 尿 病、 が ん、 脂 質 異 常) 引 き 起 こ さ れ て く る 可 能 性 が 高 い と い う こ と で す

 

 

健康情報41は、遺伝子と生活環境との関係についてです。

 

 

同 じ よ う に 内 臓 脂 肪 が た まっ て い て も 血 圧 の 上 が る 人、上 が ら な い 人 、糖 尿 病 に な る 人 、な ら な い 人 、が ん に な る 人、 な ら な い 人 が 生 じ る の は な ぜ で しょ う か︖

 

こ れ は 遺 伝 子 の 問 題 で す あ る 疾 患 に な り や す い 人、 な り に く い 人 で は 遺 伝 子 が 異 な り ま す

 

 こ の 遺 伝 情 報 は 自 分 だ け の も の で は な く 先 祖 か ら 代々 受 け 継 が れ た も の で あ り 子 孫 に 残 し て い く も の で す

 

遺 伝 子 に は ス イッ チ が あ り、遺 伝 子 の ス イッ チ が オ ン に な る か ど う か は 環 境 の 要 因 が 影 響 し ま す

 

す な わ ち、 食 べ て い る も の 生 活 環 境 に 毒 素 が な い か︖

不 足 し て い る 栄 養 素 が な い か︖

ま た 大 き な ス ト レ ス を か か え て い な い か︖

が 影 響 し て い ま す 同 じ 遺 伝 子 を 持っ て い て も 病 気 を 発 症 す る、 発 症 し な い は 環 境 を コ ン ト ロー ル す る こ と に よっ て 調 節 で き ま す

 

 こ の こ と を 遺 伝 ( genetics ) が 周 囲 の 環 境 に よっ て 調 節 さ れ る 現 象 と し て

Epigenetics (エ ピ ジェ ネ ティ ク ス) と 呼 び ま す

 

 エ ピ と は” 上” と い う 意 味 で 遺 伝 子 の 本 来 の 働 き は 環 境 要 因 に よっ て 影 響 を 受 け る と い う 意 味 で す

 

必 ず し も 人 の 運 命 は 遺 伝 子 の み で コ ン ト ロー ル さ れ る わ け で は な い の で す

 

親 子 代々、 糖 尿 病 で あっ て も 親 子 代々、 肥 満 で あっ て も ま た、 特 定 の が ん が 発 症 し て い て も 自 分 の 生 活 環 境 を 変 え る こ と が で き れ ば そ の よ う な 遺 伝 子 を 発 現 (あ ら わ れ る こ と) し な い よ う に コ ン ト ロー ル で き る の で す

 

 そ し て 生 活 環 境 の 一 番 の 要 因 は な ん と いっ て も 毎 日 の 食 事 で す 今 食 べ て い る も の が、 こ れ ま で の 自 分 を 創っ て き た の で す

 

今 か ら 食 べ る も の が 明 日 か ら の あ な た の 体 を 変 え て い く の で す

同 じ よ う に 内 臓 脂 肪 が た まっ て い て も 血 圧 の 上 が る 人、上 が ら な い 人 、糖 尿 病 に な る 人 、な ら な い 人 、が ん に な る 人、 な ら な い 人 が 生 じ る の は な ぜ で しょ う か︖

こ れ は 遺 伝 子 の 問 題 で す あ る 疾 患 に な り や す い 人、 な り に く い 人 で は 遺 伝 子 が 異 な り ま す

 こ の 遺 伝 情 報 は 自 分 だ け の も の で は な く 先 祖 か ら 代々 受 け 継 が れ た も の で あ り 子 孫 に 残 し て い く も の で す

遺 伝 子 に は ス イッ チ が あ り、遺 伝 子 の ス イッ チ が オ ン に な る か ど う か は 環 境 の 要 因 が 影 響 し ま す

す な わ ち、 食 べ て い る も の 生 活 環 境 に 毒 素 が な い か︖

不 足 し て い る 栄 養 素 が な い か︖

ま た 大 き な ス ト レ ス を か か え て い な い か︖

が 影 響 し て い ま す 同 じ 遺 伝 子 を 持っ て い て も 病 気 を 発 症 す る、 発 症 し な い は 環 境 を コ ン ト ロー ル す る こ と に よっ て 調 節 で き ま す

 こ の こ と を 遺 伝 ( genetics ) が 周 囲 の 環 境 に よっ て 調 節 さ れ る 現 象 と し て

Epigenetics (エ ピ ジェ ネ ティ ク ス) と 呼 び ま す

 

 エ ピ と は” 上” と い う 意 味 で 遺 伝 子 の 本 来 の 働 き は 環 境 要 因 に よっ て 影 響 を 受 け る と い う 意 味 で す

必 ず し も 人 の 運 命 は 遺 伝 子 の み で コ ン ト ロー ル さ れ る わ け で は な い の で す

親 子 代々、 糖 尿 病 で あっ て も 親 子 代々、 肥 満 で あっ て も ま た、 特 定 の が ん が 発 症 し て い て も 自 分 の 生 活 環 境 を 変 え る こ と が で き れ ば そ の よ う な 遺 伝 子 を 発 現 (あ ら わ れ る こ と) し な い よ う に コ ン ト ロー ル で き る の で す

 そ し て 生 活 環 境 の 一 番 の 要 因 は な ん と いっ て も 毎 日 の 食 事 で す 今 食 べ て い る も の が、 こ れ ま で の 自 分 を 創っ て き た の で す

今 か ら 食 べ る も の が 明 日 か ら の あ な た の 体 を 変 え て い く の で す

現 在 、健 康 診 断 で は ウ エ ス ト の サ イ ズ を 計 測 し ま す

男 性 は ウ エ ス ト サ イ ズ 85cm 以 上

女 性 は ウ エ ス ト サ イ ズ 90cm 以 上 で

「内 臓 脂 肪 過 多」 と 診 断 さ れ ま す

 脂 肪 の 蓄 積 は 糖 質 過 多 に よっ て お こ り ま す

ウ エ ス ト 周 り の サ イ ズ が 増 え れ ば 増 え る ほ ど 疾 患 (心 臓 疾 患、 が ん な ど) の か か り や す さ、 死 亡 率 が 高 い こ と が 示 さ れ て い ま す ( Int J Epidemiol. 2012 )

脂 肪 細 胞 が 放 出 す る ホ ル モ ン に は レ プ チ ン = 食 欲 を 抑 制 す る ホ ル モ ン レ ジ ス チ ン = イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を 上 げ る ホ ル モ ン ア ディ ポ ネ ク チ ン = 脂 肪 を 燃 や す ホ ル モ ン な ど が あ り ま す

他 に も 脂 肪 細 胞 は 炎 症 に 関 係 す る 様々 な 物 質 を 出 し て い ま す

 現 在 で は 脂 肪 組 織 が 様々 な ホ ル モ ン を 分 泌 す る 内 分 泌 組 織 と み な さ れ て い ま す

 脂 肪 細 胞 に 取 り 込 ま れ る 脂 肪 が 多 く な る と、 ア ディ ポ ネ ク チ ン の よ う な 脂 肪 を 燃 や す ホ ル モ ン は 放 出 さ れ に く く な り ま す

 レ プ チ ン は 満 腹 を 感 じ さ せ る 作 用 が あ り、 正 常 に 働 く こ と で 食 欲 は 抑 制 さ れ ま す 脂 肪 細 胞 が 増 え る と、 レ プ チ ン の 分 泌 量 が そ れ に 伴っ て 増 加 し ま す

レ プ チ ン が 増 加 し す ぎ る と、 レ プ チ ン が 働 き に く く な り ま す ちょ う ど イ ン ス リ ン の 分 泌 が 増 加 す る と イ ン ス リ ン が 働 き に く く な る こ と と 同 じ で す

そ の 結 果 、食 欲 の 抑 え が き か ず 肥 満 の 人 は 食 べ 続 け る こ と に な り ま す

こ の 状 態 を 「レ プ チ ン 抵 抗 性」 と い い ま す

肥 満 の 人 は さ ま ざ ま な 悪 循 環 サ イ ク ル を 形 成 し て い る こ と に な り ま す

内 臓 脂 肪 関 連 で 指 摘 し て お き た い こ と が あ り ま す

今 日 は 「海 馬」 と い う 脳 の 領 域 の 話 で す 「海 馬」 と は 脳 の 中 で 主 に 記 憶 や 空 間 学 習 能 力 に 関 わ る 脳 の 器 官 で す

認 知 症 の 方 は 海 馬 か ら 萎 縮 が 始 ま る 傾 向 に あ り ま す

そ し て、 お 腹 周 り が 大 き け れ ば 大 き い ほ ど こ の 「海 馬」 が 萎 縮 し て い る こ と が 報 告 さ れ ま し た

 

ま た、 脳 細 胞 の 集 まっ て い る 脳 の 「灰 白 質」 も 萎 縮 す る こ と も 指 摘 さ れ て い ま す ( Neuroimage. 2015 )

体 が 大 き く な れ ば な る ほ ど 脳 が 小 さ く なっ て い く と い う こ と で す

 中 で も 脳 の 前 頭 葉、 側 頭 葉 の 萎 縮 が 著 し い と い う 結 果 か ら 決 断 を 下 し た り 記 憶 を 蓄 積 す る の に 著 し く 障 害 が 出 る 可 能 性 が あ り ま す

( Hum Brain Mapp. 2010 )

 余 分 な 脂 肪 を 落 と す 理 由 は あ ら ゆ る 疾 患 の リ ス ク で あ る と い う こ と だ け で な く 「心 を 失 う」 恐 れ が あ る こ と で す

そ し て、 こ の 反 応 は 内 臓 脂 肪 が つ き 始 め る と す ぐ に 誘 発 さ れ ま す ダ イ エッ ト が 必 要 な 人 は 「今 す ぐ」 始 め る べ き で す

イ ン ス リ ン が 効 き に く く な る 病 態 を イ ン ス リ ン 抵 抗 性 と い い ま す

 今 日 は、 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を い か に 改 善 す る か に つ い てのお話 で す

 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 は 肥 満 を 誘 発

す る 前 段 階 に あ た り ま す イ ン ス リ ン 抵 抗 性 = メ タ ボ リッ ク 症 候 群 と も い い ま す イ ン ス リ ン 抵 抗 性 は 体 全 体 に 炎 症 を も た ら し ま す

肥 満 だ け で な く あ ら ゆ る 疾 患 の ス ター ト で も あ る と い う こ と 決 し て 放 置 し て お い て は い け な い 状 態 で す

 肥 満 で あ る こ と = イ ン ス リ ン 抵 抗 性 肥 満 で な い こ と = イ ン ス リ ン 抵 抗 性 が な い で は あ り ま せ ん

日 本 人 は 遺 伝 的 に イ ン ス リ ン 抵 抗 を 引 き 起 こ し や す い す な わ ち 痩 せ て い て も イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を 引 き 起 こ し や す い 糖 尿 病 に な り や す い こ と が 分 かっ て い ま す

で は、 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を 改 善 す る た め に は ど の よ う な ア プ ロー チ が 望 ま し い の で しょ う か︖

肥 満、 過 体 重 の 人 で 以 下 の プ ロ グ ラ ム を 実 施 し た 研 究 が あ り ま す

1 食 事 療 法 の み

2 運 動 プ ロ グ ラ ム の み

3 食 事 療 法 + 運 動 プ ロ グ ラ ム ( Am J Prev Med. 2011 )

結 果 は 食 事 療 法 を 実 施 し た 人 は イ ン ス リ ン 抵 抗 性 の 改 善 を 認 め ま し た

食 事 療 法 + 運 動 プ ロ グ ラ ム で は よ り イ ン ス リ ン 抵 抗 性 は 改 善 し た し ま し た

し か し、 運 動 の み を い く ら 強 化 し て も イ ン ス リ ン 抵 抗 性 の 改 善 は 認 め ま せ ん で し た

 よっ て、 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を 改 善 す る に は 食 事 療 法 を 強 化 す る こ と が 最 重 要 課 題 で あ り、 運 動 の み で 改 善 さ せ る こ と は で き な い と い う 結 果 で す

減 量 す る 際 に も ま ず、 イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を 改 善 す る こ と が 第 一 で す

 

イ ン ス リ ン 抵 抗 性 が 改 善 さ れ な け れ ば 脂 肪 は 燃 え 始 め ま せ ん 食 事 の 改 善 を ま ず 取 り 組 む べ き で あ り。 や せ る た め に 運 動 を す る と い う の は 非 常 に 効 率 の 悪 い 行 動 で す

 ダ イ エッ ト に は 食 事 95 %、 運 動 5 % が理想でるという理 由 で す

 

イ ン ス リ ン 抵 抗 性 を 改 善 し 肥 満 を 解 消 す る 食 事 と は ど の よ う な 食 事 で しょ う か︖

こ の 疑 問 に 答 え る 研 究 が 2013 年、 臨 床 医 学 の 最 高 峰 の 医 学 雑 誌 「 New England Journal of Medicine 」 に 示 さ れ ま し た

 地 中 海 式 食 事 (オ リー ブ オ イ ル、 ナッ ツ、 豆、 フ ルー ツ、 野 菜、 ワ イ ン な ど) の 食 事 を す る 人々 は、 低 脂 肪 の 食 事 を す る 人 た ち に 比 べ て 心 疾 患 や 脳 卒 中 の リ ス ク が 30 % も 低 かっ た の で す ( N Engl J Med. 2013, 2018 )

こ れ ま で は 脂 質 を 摂 取 す る こ と は 心 疾 患 の リ ス ク を 高 め る と 信 じ ら れ て き ま し た

し か し オ リー ブ オ イ ル や ナッ ツ な ど 良 質 な 脂 質 を 摂 取 す る こ と が 心 疾 患 の 予 防 に 重 要 で あ る と い う こ と が 確 認 さ れ ま し た

炭 水 化 物 の 量、 脂 質 の 量 が 異 な る 3 種 類 の 食 事 療 法 が 肥 満、 体 重 過 多 の 人 に 対 し て ど の よ う な 影 響 を 与 え る か も 検 討 さ れ て い ま す ( JAMA. 2012 )

そ の 3 種 類 の 食 事 は

1 . 低 脂 肪 食 ( 60 % 炭 水 化 物、 20 % タ ン パ ク 質、 20 % 脂 質)

 2 . 低 糖 質 ( 40 % 炭 水 化 物、 20 % タ ン パ ク 質、 40 % 脂 質)

3 . 超 低 糖 質 ( 10 % 炭 水 化 物、 30 % タ ン パ ク 質、 60 % 脂 質)

 こ の う ち 3 の超 低 糖 質 の 食 事 は 、ダ イ エッ ト が 進 ん で も 安 静 時 の エ ネ ル ギー 消 費 を 落 と す こ と が あ り ま せ ん で し た

す な わ ち 基 礎 代 謝 が 落 ち る こ と が な かっ た と い う こ と で す

 脂 肪 制 限 は か ら だ の 求 め る 食 事 で は あ り ま せ ん

 良 質 な 脂 質 を 摂 取 し つ つ 糖 質 を 制 限 す る こ と が 体 重 減 少 を 維 持 し た り 心 血 管 疾 患 を 予 防 す る 上 で 重 要 で す

 炭 水 化 物 に 頼 ら な い 脂 肪 の エ ネ ル ギー も しっ か り 取 り 入 れ る 食 事 が エ ネ ル ギー レ ベ ル を 維 持 し、 肥 満 解 消 の た め の 体 の 求 め る 食 事 と い う こ と に な り ま す

人 工 甘 味 料 は 現 在 で は た く さ ん の 食 品 に 添 加 さ れ て い ま す

 太 り た く な い、 ダ イ エッ ト し た い と 思 う と カ ロ リー ゼ ロ と か カ ロ リー オ フ と い う 言 葉 は 非 常 に 魅 力 的 で す

し か し 一 旦 冷 静 に カ ロ リー ゼ ロ の 意 味 を 考 え る 必 要 が あ り ま す

 糖 質、 ア ミ ノ 酸、 脂 肪 酸 は カ ロ リー が あ り ま す が、 こ れ は 体 の 中 で 代 謝 さ れ て エ ネ ル ギー に な る と い う 意 味 で す

逆 に 考 え れ ば、 カ ロ リー ゼ ロ の 物 質 と は 体 に とっ て は 分 解 で き な い も の、 プ ラ ス チッ ク な ど と な ん ら 変 ら な い な い も の だ と い う こ と で す

 そ の ま ま 腸 管 か ら 便 と し て 出 て 行っ て く れ れ ば 良 い の で す が そ の 一 部 は 吸 収 さ れ て 体 の 脂 肪 組 織 に た ま り こ み ま す

当 然 体 は 人 工 甘 味 料 を 異 物 と 認 識 し 免 疫 反 応 が お こ り 慢 性 炎 症 を 引 き 起 こ す こ と に な り ま す

 安 全 な も の で は な い と い う こ と で す カ ロ リー ゼ ロ = 安 全 で は な い と い う だ け で な く 実 は、 カ ロ リー ゼ ロ = ダ イ エッ ト に 有 効 で も な い と い う こ と も お 話 し て い き ま す

今日は雑誌Nature に掲載された人工甘味料の危険を検討した実験結果についてです

この実験では人工甘味料が腸内細菌に影響をあたえることが確認されています

Nature . 2014 25231862

米国食品医薬品局(FDA )が定めた1 日の最大摂取量相当のアスパルテーム、スクラロース、サッカリンをマウスにそれぞれ与えました

11 週後、どの人工甘味料を飲んでいたマウスも食後の血糖値が高くなっていることが確認され、特にサッカリンの影響が最も高いことがわかりました

そこで腸内細菌叢を調べたところ、人工甘味料を飲むと腸内細菌の種類が変化して、肥満患者や糖尿病患者と同じ細菌が増えることがわかったのです

サッカリン投与マウスの耐糖能障害(インスリン抵抗性)は抗生剤を投与すると改善すること、サッカリン投与マウスの腸内細菌叢を無菌マウスへ移植すると耐糖能障害を引き起こすことから,サッカリンによる腸内細菌叢の変化により耐糖能異常が生じていると考えられました

1960 年代に行われた動物実験で雄癌の発生が見られたため(見直しを受けた現在では、

発癌性物質リストから削除はされているもの)サッカリンは現在日本では食品への使用量が制限されている物質です

アメリカなどでは現在でも⻭磨き粉などで多く使用されています

しかし現在日本で多く使用されているアスパルテーム、スクラロースでも同様の結果が得られていることは記憶しておくべき内容です

前回は人工甘味料がマウスの腸内細菌叢を壊し、血糖のコントロールを乱すことについてお話しました

この実験を行った研究者はヒトでもこの影響を確認しました7 人の健常人に1 日の最大摂取量のサッカリン(人工甘味料)を1 週間飲んでもらったところ、4 人の耐糖能に異常(血糖値の︓インスリン抵抗性)が見られたのです

やはり人でも人工甘味料は血糖値を狂わせるといった結果が確認されているということです

日本からの研究で人工甘味料が糖尿病のリスクをあげる研究結果が得られています(Eur J Nutr. 2014 )

富山県の糖尿病のない35 〜55 歳の男性2037 人を約7 年間にわたって追跡調査したところ170 人に糖尿病の発症を認めました

 

人工甘味料入りダイエット飲料の摂取量と糖尿病の発症との関連を調べるとダイエット飲料を週に約1 杯(237 ミリリットル)以上飲む人は、飲まない人に比べて糖尿病のリスクが1.7 倍高いという結果がでています

 

カロリーがゼロだからといってダイエット用のビール、チュウハイ、コーラなどを飲んだ結果、糖尿病になってしまう可能性があるわけです

当然糖尿病の病態では肥満になることも必然ですので、カロリーを制限して太らないようにしたいとダイエット飲料を選んで飲むことは本末転倒の結果をもたらします

11 週後、どの人工甘味料を飲んでいたマウスも食後の血糖値が高くなっていることが確認され、特にサッカリンの影響が最も高いことがわかりました

そこで腸内細菌叢を調べたところ、人工甘味料を飲むと腸内細菌の種類が変化して、肥満患者や糖尿病患者と同じ細菌が増えることがわかったのです

サッカリン投与マウスの耐糖能障害(インスリン抵抗性)は抗生剤を投与すると改善すること、サッカリン投与マウスの腸内細菌叢を無菌マウスへ移植すると耐糖能障害を引き起こすことから,サッカリンによる腸内細菌叢の変化により耐糖能異常が生じていると考えられました

1960 年代に行われた動物実験で雄癌の発生が見られたため(見直しを受けた現在では、

発癌性物質リストから削除はされているもの)サッカリンは現在日本では食品への使用量が制限されている物質です

アメリカなどでは現在でも⻭磨き粉などで多く使用されています

しかし現在日本で多く使用されているアスパルテーム、スクラロースでも同様の結果が得られていることは記憶しておくべき内容です

甘いという感覚は、舌の表面に存在する味蕾(みらい)と呼ばれる器官で認識されます

 

砂糖であっても人工甘味料であってもこの味蕾を刺激するため甘いと感じます

 

しかし、砂糖であれば甘いと感じたあと血糖値の上昇がおこります

 

この時点で脳には血糖値の上昇のシグナルが送られています

もう十分だと感じれば、食事を取ることを
止めます(レプチンというホルモンです)しかし人工甘味料では、甘いと感じてもカロリーゼロです

・・・ので血糖値が上昇しません

 

むしろ人工甘味料はインスリン分泌を刺激します(Proc Natl Acad Sci U S A. 2012, 22315413)

 

血糖値が下がり、さらに食欲が増す可能性があります

 

エネルギーの産生も起こらないので、脳は食事量が足りないと錯覚し、食べすぎてしまうというメカニズムが生じます

実際に人工甘味料は減量効果がないことも確認されています(N Engl J Med. 2012, 22998339 )


糖尿病を引きおこすとともに人工甘味料は肥満、認知症、脳機能障害に関しても関連性が指摘されています(PLoS One. 2017, Curr Gastroenterol Rep. 2017, Stroke. 2017, Cureus. 2018)

天然甘味料には、砂糖(ブドウ糖)、ショ糖、黑糖、三温糖、⻨芽糖(マルトース)、オリゴ糖、蜂蜜、メープルシロップ、水飴などがあり多くの食品に添加されています

 

天然甘味料は、カンジダなどの酵母(イースト)の栄養源になりやすいため、酵母の繁殖による食品の品質の劣化を招きます

 

最近では食品の保存性を高めるために人工甘味料が使われる傾向にあります

 

お菓子、その他食品の裏の成分表を見てみてください

 

成分の多いものから順番に記載されてます

 

一番最初に砂糖とかぶどう果糖液糖とか書かれているものは、その後にどんないいこと(ビタミンなど)が書かれていたとしてもただの砂糖の塊だと思ってください

 

体にとって何の益もない食品です

 

あとは人工甘味料の名前、特にアスパルテーム、アセスルファムK 、スクラロースという名前をみたら必ず逃げて下さい

 

明日からは個々の人工甘味料について記載します

 

今日からは個々の人工甘味料についてです

最初は アスパルテームです。

アスパラギン酸とフェニルアラニンという2 種類のアミノ酸が結合してできたもので、砂糖の約200 倍の甘さがあります

アスパルテームは大部分が分解も代謝も受けずに体外に排泄されるという結果がFDA から出ています

しかし構造的には消化管で分解されてメタノール、アスパラギン酸、およびフェニルアラニンとういう物質に代謝された後、蛋白合成に利用されたり、二酸化炭素として排出されます

2007 年、マウントサイナイ医科大学は、ラット胎児に一日許容消費量の二倍のアステルパームを投与し続けた結果、発ガン率の上昇が統計的に認められるという研究結果を公表しました

 

これに対して、国際ガン研究機関(IARC )は、「アステルパームに発ガン性は認められない」ことを発表しています

またヒトでの疫学的研究でも発癌リスクはないと報告されています(Ann Oncol. 2007 PMID: 17043096 )

現在のところ、成⻑を終えた成人の摂取量としての毒性は考慮しなくてもいいかもしれません

しかし成⻑過程にある小児の安全性が保証されているわけではありません

発癌性についても再評価が必要とのコメントもでています(Am J Ind Med. 2014, 24436139)

実際のところ⻑期摂取による安全性の確認において因果関係を示すことは非常に困難です

これまでの歴史でも食品添加物として使用が認められた後、何らかの健康上の問題が指摘され使用が禁止となる例も存在します(チクロ、サッカリンなど)

子供にはアステルパームが入っているジュースを与えるべきではありません

アセスルファムK は(アセスルファムカリウム)スクロース(ショ糖、砂糖)の200 倍の甘味を有する人工甘味料です

酢酸を原料にして化学合成を用いることで製造されます

アセスルファムカリウムはアスパルテームよりも安価で、熱に強いため、さまざまな用途で使われています

人工甘味料には独特の苦味を感じることが多いのですが、アセスルファムK 特に、「後味が悪い」「まずい」と感じます

製造過程で塩化メチレン(ジクロロメタン)が溶媒として使われます。

 

2012 年、塩化メチレンを使用する日本の印刷企業従業員に胆管癌が多発していることが判明し、国際がん研究機関による発がん性リスク評価でも、塩化メチレンはヒトに対する発癌性がおそらくあると判定されています

よってアセスルファムK は塩化メチレンの残留を心配する声があります

また、アセスルファムK は消化されないため、カロリーゼロです

しかし腸管から吸収されて異物として血管内に侵入します

血液の流れに沿って腎臓に運ばれ、尿と一緒に排泄されますが、一部は脂肪内に蓄積します

異物が体に入れば慢性の炎症を引き起こすことは想像に難くありません

本日は、スクラロースについてです。

スクラロースは、砂糖(スクロース)に化学構造がよく似ており、砂糖の600 倍の甘さを持ちます

スクラロースは、砂糖のように体内で消化、吸収されないため、カロリーはゼロです

しかしスクラロースには大きな問題があります

もともとスクラロースは新しい” 農薬” の研究中に発見されたという事実です

スクラロースの化学構造上、分子内に塩素(Cl )原子を3 つも有しています

化学的に塩素と炭素が結合している分子を「有機塩化物」と言います

有機塩化物は、毒性が強く、環境中での残留性と生物の脂肪内蓄積性が高い有害な化合物です

 

他の有機塩化物にはPCB( ポリ塩化ビフェニル、発癌物質)、DDT (ジクロロジフェニルトリクロロエタン︓神経毒)ダイオキシン(発癌物質)があります。

138 度以上に加熱すると有害な塩素系ガスが発生します

それにもかかわらず、ローカロリーのマフィンやクッキー、プロティンバーにスクラロースはよく使われています

 

このような物質がなぜ、食品として使用許可が下りているのか不思議でなりません

 

比較的最近(1999 年)になって食品添加物に指定されたもので、実験結果等が少なく、安全性が不確かだと言えます

スクラロースは血糖値上昇、インスリン値の上昇も報告されています

カロリーゼロですが、糖尿病を誘発するリスクがあるということです(Diabetes Care. 2013, 23633524)

今日はすこし話題を変えてアスパルテームの闇について

世の中庶⺠が知らないところで動いていることってたくさんあると思うのですが、食品に関しても闇深い部分が多々あります

アスパルテームは、フェニルアラニン(50% )とアスパルギン酸(40% )という二種類のアミノ酸をメタノール(10% )で結合させています

フェニルアラニンは神経伝達物質の一つで、脳内でドーパミン、ノルアドレナリンに合成されます

フェニルアラニン単体で摂取すると脳細胞を過剰に刺激し、時に死に至るほどの興奮性毒となり得ます

量はわずかですが、分解の際に生じるメタノールの危険も指摘されています

1973 年にはアメリカのサール薬品がアスパルテームの許可申請を行いましたが、申請はFDA によって却下されました

この当時科学者たちは、腫瘍、脳障害、頭痛、気分の著しい変化、不眠症、鬱、知能低下や、短期記憶への影響もあると指摘していたからです

1977 年にフォード政権下で国防⻑官を務めたドナルド・ラムズフェルドがサール社の経営トップに就任しました

1981 年レーガン政権が誕生した翌日に、サール薬品が再び食品添加物の許可申請を行うと、1983 年にアスパルテームの使用が認可されました

ラムズフェルはレーガン政権下でも各種の諮問機関で委員を務めていることからも認可に影響があった可能性は否定できません

1995 年のFDA の文書には、アスパルテームによって失明や死亡のリスクがあると記されています

どうして認可されたまま放置されているのか理解に苦しみます

ラムズフェルドは、インフルエンザ特効薬タミフルの特許を持つバイオテック企業ギリアド・サイエンシズの会⻑を務めました

ギリアド社の株式を保有しており、鳥インフルエンザの懸念が高まった際には、同社の株式高騰によって巨額の富を築きました

糖質は単糖類(ぶどう糖、果糖)、二糖類(砂糖、乳糖、⻨芽糖、トレハロース)、多糖類(デンプン、セルロース=食物繊維)と分類しますが、もう一つ糖アルコールというものがあります

糖アルコールとは、糖類の分子にアルコール基(-OH )を添付したものです

糖アルコールは甘味があるものの、体内へ吸収されにくいため低カロリーの甘味料として用いられます

糖アルコールにはエリトリトール、グリセリン、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどがあります

【ソルビトール】

現在最も使用量の多い糖アルコールです

天然でもリンゴの蜜や梨に含まれていますが、人工のものはトウモロコシやじゃがいもを加工してつくられています

比較的安全性であるとされていますが、トウモロコシが原料となる場合は遺伝子組み換え食品が使用されている可能性が高いです

【キシリトール】

キシリトールは、白樺や樫などの木から抽出される物質を原料にして工業的につくられます

イチゴ、カリフラワー、レタス、ニンジンにもキシリトールが含まれています

また、人の肝臓でも、1 日当たり約15g のキシリトールが作られています

キシリトールは砂糖と同じ甘さがありますが、口腔内の細菌による酸の産生がほとんどなく、虫⻭にならない糖として知られています

独特の清涼感もありおもにガムに使用されていますが、虫⻭予防効果はキシリトール100 %の場合であって他の糖類が入っていれば効果はないことを注意しておく必要があります

また最近ではトウモロコシから合成されているものも多く原材料は遺伝子組み換え作物の可能性が高いと考えた方がいいです

またキシリトールは犬に対して肝機能障害など重篤な合併症が報告されています安易に犬に与えてはいけないという勧告がでています

 

原則砂糖はNG です

砂糖は中毒物質であり、避ける必要があります砂糖に変わる甘味料も安全性に疑問があります

しかし甘味を摂取したい時というのは誰にでもあります

ステビアは現在までのところ、安全性が高いと考えられています

ステビアは、南アフリカ原産のハーブですステビアの葉から甘み成分を抽出して粉末状または液体状にしたものを甘味料として使用します

ステビアは人工甘味料だと思われがちですが、植物由来の天然甘味料です砂糖の200-300 倍ほどの甘みがありますが、非常に低カロリーで、使用量が少なく済むことからほぼカロリーはゼロに近いと言えます

ただし若干味にくせがありますステビアは、軽度の高血圧患者の血圧を下げる効果が報告されています( Clin Ther. 2003, 14693305)

古代ペルーでは、ステビアは避妊薬としても使用されていた歴史から、妊婦に対する危険性や、染色体や遺伝子の損傷の危険性が指摘されてきました

 

現在ではそのようなことはないと宣言されており、⻑らく使用が禁止されていたアメリカでは2008 年に、EU では2011 年に食品添加物として認可されました

一日の摂取許容量は、4mg/kg / 日とされています

体重が70kg の人であれば、1 日に0.28g までということです

しかし安全性のデータが十分というわけではありません妊娠中や子供の摂取は避けた方がいいでしょうし、あくまでも時々摂取するレベルにとどめたほうがよいことは間違いありません

糖分(ブドウ糖)は体の中の大事な栄養源です

しかし糖分はもろ刃の剣で過剰にありすぎると悪さをします

以前にお話ししたAGE (終末糖化産物)は、糖分が⻑期間にわたりタンパク質、脂質と接触していると作られる物質です

終末という名前の通り一度結合すると元には戻りません

体内で作られるAGE は目に見えませんが、お肉を焼いたり、パンを焼いたり、たこ焼きを焼いたり、おにぎりを焼いたりした時の焦げ目はすべて、糖とタンパク質に加熱して起こるAGE 合成の反応です

AGE が体内で作られるということはそれだけ糖分が体内に⻑くとどまっていることを示します

通常では糖分はインスリンの働きで素早く細胞内に収納されます

インスリンの働きが悪い場合糖分が血液の中にとどまっている時間が⻑くなり、結果体内に作られるAGE の量は多くなります

すなわち血糖値がいつも高い人はAGE を体内で合成する可能性が高い訳です

血糖値は通常食事を摂取していなければ90-100mg/dl 程度食事をとっても100-110mg/dl 程度になるようにコントロールされています

インスリン抵抗性が起こるとこの血糖を素早く細胞内にしまうことができないので血糖が上がりますが、食事をとった後200mg/dl 以上になってしまった状態を糖尿病と呼びます

糖尿病まで行ってしまうと完全に” 病気” と診断されます

糖尿病ではまず間違いなくAGE が大量に体内で作られています

しかし食後の血糖値が150mg/dl 程度であってもAGE は合成されています

AGE は少量であっても体にトラブルを引き起こします

よってインスリンがしっかり働いてくれる状況を絶えず体に作っておくことが重要です

血液の中に糖分が流れ続けていると、その糖分は体内のタンパク質のアミノ酸(主にリジン、アルギニン)、脂質、DNA にくっつきます(Nutrients. 2010 22254007 )

この段階で作られたものをシッフ塩基といいます

難しいのでここではA とします

この最初の合成物A は血糖が高ければ高いほどたくさんつくられます

この反応は数時間のうちにおこります

A は数日のうちにアマドリ化合物というものに変化します

ここでもB という名前に変えます

このB を合成する期間は数日です

B の代表例は糖尿病の時に上昇するH bA1c (ヘモグロビンエーワンシー)です

そしてB が様々な化学反応をうけて数週から数ヶ月でAGE となります

すなわち糖+ アミノ酸→ A → B → AGE という過程をたどります

ここでポイントがあります

実は糖+ アミノ酸→ A 数時間でおこりますが、血糖が低く保たれれば、糖+ アミノ酸← A のようになるのです

すなわち糖+ アミノ酸⇔A のように血糖が正常に戻れば元に戻ることができそれ以上反応することはなくなります

B はより安定している化合物なので反応しにくいですがA → B の反応も元に戻るチャンスはあります

しかしB → AGE の反応は一旦合成されると元に戻らず一方通行です作られたAGE は体内で悪さをし続けることになります

このことからも血糖を素早く低下させること、血糖が低い時間をなるべく⻑くとることが重要であることが理解できると思います

血糖を素早く低下させるにはどうしたらいいか︖血糖が低い時間をなるべく⻑くするにはどうしたらいいか︖

を考える必要があるということです

いっ た ん 作 ら れ た AGE は 構 造 的 に 安 定 し て い ま す

こ の 茶 色 の 構 造 物 は 細 胞 の 内 外 で 体 の 酵 素 の 機 能 を 障 害 し て い き ま す

 AGE は 細 胞 表 面 の 受 容 体 に くっ つ い て、 炎 症 反 応 を 活 性 化 さ せ ま す ( nuclear factor kappa B)

別 の 経 路 で は 細 胞 内 の 酸 化 ス ト レ ス を 加 速 し て さ ら に 炎 症 反 応 を 加 速 さ せ ま す

そ の 結 果 様々 な 炎 症 性 の サ イ ト カ イ ン (細 胞 同 士 の メッ セ ン ジャー) が 増 加 し て 全 身 に 炎 症 反 応 が 波 及 し ま す

こ の 反 応 の た ち の 悪 い と こ ろ は 炎 症 反 応 が 活 性 化 さ れ る と ( nuclear factor kappa B) 細 胞 の 表 面 に AGE の 受 容 体 を 増 加 さ せ て し ま い ま す

そ の 結 果 さ ら に AGE が 細 胞 と 結 合 し て 炎 症 の 連 鎖 が う ま れ て い く こ と に な り ま す ( Nutrients. 2010 22254007 )

こ の 反 応 を 止 め る に は AGE を 減 ら す し か あ り ま せ ん

 AGE は 糖 質 が 時 間 を 追っ て 合 成 さ れ て い く 経 路 以 外 に も 合 成 さ れ る 経 路 が 存 在 し ま す

 一 つ は 必 須 脂 肪 酸 な ど の 酸 化 に よっ て 生 じ る ア ル デ ヒ ド か ら AGE は 作 ら れ ま す

も う 一 つ は 糖 分 過 剰 に な る と 果 糖 に 合 成 さ れ ま す (ポ リ オ ― ル 経 路)

こ の 合 成 さ れ た 果 糖 が AGE 合 成 に 働 き ま す ( Adv Nutr. 2017 28096127 )

こ の 経 路 は 血 糖 が 高 い と 活 性 化 さ れ る 反 応 で す ( Animal Model Exp Med. 2018 29863179 )

過 剰 に 糖 質 の 多 い、 そ し て 果 糖 の 含 ま れ る ブ ド ウ 果 糖 液 は AGE 合 成 の 危 険 因 子 で す ( Nutrients. 2017 28632197 )

 

現在までわかっているところでAGE がどのような悪さをするか︖

まず一番知られているのは血管に対するダメージです

血管の細胞の内外にAGE が蓄積し炎症を引き起こします

一番ダメージをあたえるのが構造成分であるコラーゲンです

コラーゲンは血管の弾力の元ですがAGE が接着することによってその弾力を失います

結果動脈がどんどん固くなっていきます

糖尿病の人を死後検査すると固くなった大動脈にはたくさんのAGE が存在していました(Diabetologia 1996 8858217 )

AGE が血管にダメージを与える別のメカニズムは、低密度リポタンパク質(LDL )の細胞への取り込みの減少です

LDL は一般に悪玉コレステロールと呼ばれているものです

LDL にはその中心に蛋白質(アポリポタンパク質B )があり、また脂質(リン脂質)も含まれています

AGE が悪さ(糖化)することによりLDL はコラーゲンにくっつきやすくなります

通常LDL は細胞の中に収納されるのですが傷んだLDL (酸化LDL と呼ぶ)は細胞内に入らずに血管の壁に溜まります

たまった酸化LDL はマクロファージという処理細胞に食べられますが、このときマクロファージにはたくさんの脂肪がたまりこむことになります

この細胞を泡沫細胞と呼び、その存在が動脈硬化が始まったことを示すマーカーです

血管の(内皮)細胞はこの動脈硬化へのプロセスを妨害するために一酸化窒素(NO) を合成します

しかしこの合成能力はAGE によってブロックされてしまいます(FASEB J . 2003 12738813 )

結果動脈硬化がすすみ、動脈にアテロームというコレステロールなどの脂肪からなるドロドロした粥状物質がたまって動脈が狭くなり心臓疾患、脳血管疾患の引き金となっていきます

年齢を重ねるとどんどん筋力は低下していきます

日常生活に支障がでるほどの筋力低下、筋肉減少を生じた状態をサルコペニアといいます(J Am Med Dir Assoc . 2014 24461239 )

この筋肉の萎縮にも実はAGE が関連しています

サルコペニアの原因は種々の原因が考えられていますがそのひとつがAGE です

AGE 濃度は平均年齢25 歳の若い人と比較して、平均年齢78 歳の高齢者のグループは3 倍高いことが分かっています(J Appl Physiol 1985 17901242 )

実際AGE 濃度と筋力の関係をみてみると、65 歳以上の女性の握力を見てみると、AGE の高い女性は、AGE の低い女性よりも握力が弱いことを認めています(J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2009 19182228 )

筋力と同様に年齢がすすむにつれて骨量密度が減少することはよく知られています

整形外科で実際に手術を受けた人の骨内のAGE 濃度と血液中のAGE 濃度を観察した研究があります(Ann N Y Acad Sci . 2005 16037297 )

骨の強度を決める骨皮質内のAGE の濃度は血液中のAGE の濃度と相関がありましたそして骨密度ももた骨皮質内のAGE の濃度と相関がありました

つまりAGE が多い方が骨密度が低いという結果でした

高齢になってから低下した筋力、骨の強度をあげることは非常に難しいのです加齢に伴う合併症、骨折や筋力低下に伴う活動性低下にAGE が関連していることを考えると、若いころからのAGE 対策が重要です

高齢化社会における宿命と考えられている認知症2012 年では460 万人でしたが、2025 年には700 万人、高齢者の5 人に1 人が認知症になると厚生労働省は試算しています。

認知症の原因にはアルツハイマー病、脳血管のトラブルで脳機能が落ちることによる脳血管性認知症そのほかレビー小体型認知症という病態もあります

いずれも脳の中の炎症が原因しており、そのメカニズムにAGE が大きくかかわっていることが考えられています

脳脊髄液という脳の周りの液体を検査してみると、アルツハイマー病や脳血管性認知症の人は、認知症がない人に比べて脳脊髄液中の中のAGE が高いことがわかりました(Neurobiol Aging 2003 12498967 )

認知症のあった方をなくなった後に脳を剖検してみると、AGE と細胞表面のAGE の受容体(RAGE ︓多いとたくさんのAGE に反応)を多く認めました(J Neurol Sci . 2010 20863531 )

このAGE の受容体RAGE が増えると脳の中にたくさんの炎症性たんぱく質を運んでしまいます(J Alzheimers Dis . 2010 20858979 )

AGE→ 酸化ストレス→ 脳の炎症、血管の炎症当然糖尿病の人は認知症になりやすいわけです(Nat Rev Neurol . 2010 20842183 )

 

HbA1c( ヘモグロビンA1c) は、最も広く認識されている初期糖化産物です

健康診断での糖尿病の発見、糖尿病患者の血糖管理の指標としても使用されます

高血糖が続くと糖化プロセスがすすみ赤血球内のヘモグロビンというタンパク質が糖化してAGE になります

糖尿病の人ではそのほかのタンパク質もどんどん糖化していきます

 

その中でも最もダメージを受けて痛いものがタンパク質分解酵素の糖化です

タンパク質分解酵素は体内の不要なたんぱく質を分解します

この蛋白分解酵素がダメージを受けてしまうと糖化している炎症性のタンパク質の分解も低下することになります

その結果AGE がより多く蓄積するのではないかという仮説も立てられています(Pathol Biol 2010 19896783 )

糖尿病の人は⻑期コントロール不良を続けると腎臓が破綻して透析をしなくてはいけなくなります

透析とは体の血液を抜いてきれいにして戻す作業で1 回4-5 時間、週3 回クリニックに通わなくてはいけません

透析後は体がだるく動けない状態になります

糖尿病の人はこの透析の状態を知らないのでいつまでも血糖が高いことを放置するのです

血液中のAGE が高い人であればあるほど、腎臓病が進行します(Eur J Nutr . 2009 19031098 )

糖尿病の人はけがをするときずがなかなか治りません

AGE が、おそらく血管、神経、または中間の代謝産物を介して、創がなかなか治らない原因となっていると考えられています(Wound Repair Regen 2009 19614910

 

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